こんにちは、CFDで資金200万円を運用しているシータ(@trade_theta)です。
「オーバーナイト金利はどこの会社がオトクなんだろう」
「商品によって条件が違ってどこがベストなのかいまいちわからない」
こんな方向けに、CFD大手4社をオーバーナイト金利を徹底比較、おすすめの証券会社をご紹介します。
- オーバーナイト金利は、GMOクリック証券が最もオトク
- 各社のオーバーナイト金利の仕組み・違いが分かる
また、「初心者向けのおすすめ証券会社」、「観点別の証券会社比較」、「取扱商品ごとの証券会社比較」、「その他の金融商品との比較」などCFDに関する網羅的な情報は「CFD口座の比較!初心者向けのおすすめ国内業者・証券会社を紹介」にまとめているので、これからCFDを始める方はぜひ一度目を通してみてください。
目次
CFDのオーバーナイト金利とは
CFD取引では「レバレッジ」をかけることで、元手資金より大きい金額(5倍〜50倍)の投資ができますが、これは「証券会社からお金を借りて投資している」ことに等しいです。
ただ、お金を借りることになるのは「買い」ポジションのときだけです。「売り」ポジションのときは逆に「お金を貸している」ことになるので、一般的に金利を受け取りが期待できます。
- 買いポジション:オーバーナイト金利の支払い
- 売りポジション:オーバーナイト金利の受取り
オーバーナイト金利は、ポジションを翌日に持ち越さなければ発生しません。
1日のうちに購入から売却まで済ませる「デイトレード」であれば、オーバーナイト金利のことは考えなくてOKです。
ただし、2日以上ポジションを保有する場合はオーバーナイト金利が発生する商品があります。
「え?こんなに費用かかってたの?聞いてなかったんだけど!」
ということが起きないよう、違いをしっかり理解しておきましょう。
CFD会社のオーバーナイト金利・スワップポイントを徹底比較!
CFD大手4社のオーバーナイト金利を商品種別ごとにまとめたものが次の表です。
種別 | GMO | DMM | サクソ バンク | IG 証券 |
---|---|---|---|---|
株価指数 CFD 無期限 | 価格調整額 | スワップ ポイント | オーバーナイト 金利 | ファンディング コスト |
株価指数 CFD 期限あり | – | – | キャリング コスト | 費用なし |
スポット CFD (金・銀) | 金利調整額 | スワップ ポイント | スワップ ポイント | ファンディング コスト |
商品CFD 無期限 | 価格調整額 | スワップ ポイント | オーバーナイト 金利 | ファンディング コスト |
商品CFD 期限あり | – | – | キャリング コスト | 費用なし |
個別株 CFD | 金利調整額 | – | オーバーナイト 金利 | ファンディング コスト |
オーバーナイト金利は会社・商品ごとに様々な呼び名がついています。
- GMOクリック証券:金利調整額、価格調整額
- DMM.com証券:スワップポイント
- サクソバンク:オーバーナイト金利、キャリングコスト
- IG証券:ファンディングコスト
GMOクリック証券のオーバーナイト金利は「金利調整額」
GMOクリック証券のオーバーナイト金利は「金利調整額」と呼ばれるものです。
金利調整額が発生する商品は次の2つです。
- スポット商品(金スポット・銀スポット)
- 株式CFD(ETF)
スポット商品の金利調整額はスワップポイントをベースに決められる
「スポット商品」は現物商品のことで、例えば金スポット、銀スポットなどがあります。
これらは別名XAUUSD(=金スポット)、XAGUSD(=銀スポット)などと呼ばれ、為替(FX)と同じように扱われています。
金スポットは為替(FX)と同じ扱いになるため、スワップポイントが存在します。金利調整額はこのスワップポイントをベースに決められます。
金スポットや銀スポットの金利調整額がいくらかかるかは、スマホアプリのトレード画面から簡単に確認ができます。
参考:GMOクリック証券 – 3種類の調整額 | はじめてのCFD | CFD | サービス一覧
株式CFDの金利調整額は金利・貸株料・銀行間金利を加味して決められる
個別株などの株式CFDの金利調整額は、金利・貸株料・銀行間金利などを加味して、GMOクリック証券の方で決められます。
スポット商品よりも株式CFDの方が金利は高めになっています。
株式CFDの金利調整額の計算式は次のとおりです。
- 買いポジション:LIBOR + 3%
- 売りポジション:LIBOR – 3%
参考:株式CFD取引の金利調整額の計算方法を教えてください。 | よくあるご質問 | GMOクリック証券 – 業界最安値水準の手数料体系!GMOクリック証券ではじめる株取引
LIBORとは「銀行間取引で利用される金利」のことで、米国株であれば単位通貨となる米ドルLIBORの金利が使われます。
株式CFDもスマホのトレード画面から金利調整額を確認できます。
GMOクリック証券の「価格調整額」は原資産が先物のCFDで発生する調整金
GMOクリック証券には「価格調整額」と呼ばれるもう1つの調整金があります。
「価格調整額」はCFDが参照する原資産が「先物」の場合に発生する調整金です。
先物は限月と呼ばれる取引期限があり、期近と期先で価格が異なる
先物取引は、特定の商品を将来の決められた日に、現時点で決定した価格で売買することを約束する取引です。
先物取引の取引期限は限月と呼ばれ、同じ商品でも限月ごとに異なる価格付けがされます。
- 原油11月限:52.56ドル
- 原油12月限:52.74ドル
- 原油1月限:52.86ドル
- 金利
- 保管コスト(現物商品の場合)
- 配当金(株価指数先物の場合)
例えば、引き渡し期限が半年後の先物の場合、半年間現金を自由に使えます。その間、安全資産(例えば債券など)で運用してお金を増やすことが可能です。
そのため半年後の先物価格には、安全資産で運用したとみなしたときの価格が上乗せしなければ、売り手にとって割にあわないことになってしまいます。これにより、将来の価格の方が基本的に金利の分だけ高くなります。
株価指数先物の場合、保管コストは発生しないため考える必要はありませんが、代わりに配当金があります。
現物の株価指数は配当金の支払いタイミングで、配当の分だけ価格が下がる特徴があり、先物の価格には配当金の分の価格差が織り込まれます。
- 日経平均先物3月限:21250
- 日経平均先物6月限:21120
金利、保管コスト、配当金の影響を受けて、このように先物価格が決まっていきます。
GMOクリック証券の「価格調整額」は異なる限月の価格差を調整するもの
ここまで説明してきたように、先物は取引期限がありますが、CFDには取引期限がないものもあります。
原資産に先物を参照しているのに取引期限がないCFD商品は、証券会社の方で限月の切り替え(ロールオーバー)を行っています。
例えば、日経平均の例で価格調整額をみてみます。日経平均先物が次のような価格だったとします。
- 日経平均先物3月限:21250
- 日経平均先物6月限:21120
上記は「将来価格の方が安い」ケースです。この場合、3月限から6月限にロールオーバーをすると、何もしていないのに120円の損失が発生してしまいます。
この損失を解消するために「価格調整額として120円がもらえる」ようになっています。
価格調整額の詳細は「CFDの価格調整額とは何か」で解説しているので、さらに詳しく理解したい方はぜひご覧ください。
DMM.com証券はスワップポイントに金利相当額が含まれている
DMM.com証券のオーバーナイト金利は、スワップポイントとして発生します。
DMM.comのスワップポイントは次のように発生します。
DMM.comのスワップポイントは株価指数CFDの場合、売り・買いどちらであっても支払いになるので注意が必要です。
- 株価指数CFD:売りも買いも毎日支払いが発生
- 原油:買いはマイナスが多い、売りはプラスが多い、月1回発生
- 金・銀:買いはマイナスが多い、売りはプラスが多い、毎日発生
サクソバンク証券はオーバーナイト金利がある
サクソバンク証券のオーバーナイト金利は「オーバーナイト金利」というそのままの名前で存在します。
サクソバンク証券のオーバーナイト金利は、保有期限が存在しない次の商品の場合に発生します。
- 株価指数CFD(無期限)
- 商品CFD(無期限)
- 個別株CFD
オーバーナイト金利は、約定代金(レバレッジを効かせた金額)に対してかかり、計算式は次のようになります。
- 買オーバーナイト金利=約定代金x(LIBOR+2.5%)/360
- 売オーバーナイト金利=約定代金x(LIBOR-3.0%)/360
参考:証券CFD取引で約定代金が100万円の建玉を持ち越した場合に発生するオーバーナイト金利の概算値を教えて下さい – よくある質問・FAQ|サクソバンク証券
たとえば、S&P500のCFDを最小取引単位で1日だけ保有した場合のオーバーナイト金利は次のとおりです。
- 買オーバーナイト金利:
-40円 = 2997ドル x (2%+2.5%)/360 x 108.20ドル/円 - 売オーバーナイト金利:
-9円 = 2997ドル x (2%-3.0%)/360 x 108.20ドル/円
※LIBOR=2%として計算
※LIBOR金利は毎日変動します
サクソバンクのオーバーナイト金利は、トレード画面で確認ができます。
金額は少ないので影響は軽微なものですが、ロング・ショート問わず必ず費用が発生するので、長期保有にはあまり向きません。
サクソバンク証券は原資産が先物の場合、キャリングコストという費用が発生する
サクソバンク証券にはオーバーナイト金利とは別に「キャリングコスト」と呼ばれる費用もあります。
導入されたのは2017年7月1日からです。
キャリングコストは保有期限がある次の商品の場合に発生します。
- 株価指数CFD(期限あり)
- 商品CFD(期限あり)
キャリングコストは、オーバーナイト金利とことなり、約定代金全体に対してではなく、必要証拠金に対してかかるコストです。
計算式は次のようになります。
キャリングコスト=必要証拠金x持ち越し日数x(LIBOR金利+1.5%)
たとえば、金先物CFDを最小取引単位で1日だけ保有した場合のキャリングコストは0.79円です。
0.79円 = 8,151円 x 1日 x (2%+1.5%)/360
オーバーナイト金利比べると金額は少ないので影響は軽微なものですが、ロング・ショート問わず必ず費用が発生するので注意が必要です。
IG証券のオーバーナイト金利は「ファンディングコスト」
IG証券のオーバーナイト金利は「ファンディングコスト」と呼ばれるものです。
ファンディングコストは、保有期限が存在しない次の商品の場合に発生します。
- 株価指数CFD(無期限)
- スポットCFD(金・銀)
- 商品CFD(無期限)
- 個別株CFD
ファンディングコスト計算式は次のとおりです。
- 買ファンディングコスト=約定代金x(LIBOR+2.5%)/360
- 売ファンディングコスト=約定代金x(LIBOR-2.5%)/360
※ただし商品直物CFDの通常取引では±0.3%、ミニ 取引では±0.8%、株価指数CFD(直物)のミニ取引では±3.0%
参考:IG証券公式
たとえば、S&P500(ミニ)を最小取引単位で1日だけ保有した場合のファンディングコストは次のとおりです。
- 買ファンディングコスト:
-450円= 2997ドル x (2%+3%)/360 x 108.20ドル/円
- 売ファンディングコスト:
-90円 = 2997ドル x (2%-3%)/360 x 108.20ドル/円
※LIBOR=2%として計算
※LIBOR金利は毎日変動します
IG証券は最小取引単位が大きい(サクソバンク倍、GMOの10倍)ため、ファンディングコストも大きくなる傾向にあります。
商品別オーバーナイト金利観点でおすすめの証券会社
株価指数CFDをやるならGMOクリック証券が最もオーバーナイト金利が少ない
株価指数CFDをやるならGMOクリック証券が最もオトクです。
- GMOクリック証券:毎日の支払いなし。年に4回の価格調整額で配当相当額をもらえる
- DMM.com証券:毎日「売り」「買い」ともに支払い発生
- サクソバンク証券:毎日「売り」「買い」ともに支払いのケースが多い
- IG証券:毎日「売り」「買い」ともに支払いのケースが多い
GMOクリック証券以外ではポジションを保有すると、ロング・ショート問わず支払いが発生するケースが多いです。(指標金利が下がってきている2019年は特にショートでも支払いになることが多い)
GMOクリック証券の株価指数CFDは、年に4回の価格調整額しか調整金は発生せず、しかも支払いでなく、配当金相当額を受け取ることができます。
株価指数CFDを何日保有しても追加コストが一切発生しないので、中長期の投資もしやすいです。
もし、株価指数CFDで中長期のトレードがしたい場合は、GMOクリック証券でトレードやることをおすすめします。
個別銘柄ごとのオーバーナイト金利の具体的な比較は、以下の記事で解説しているのでぜひ一度ご覧ください。
金スポット・銀スポットのオーバーナイト金利もGMOクリック証券が安い
金スポット・銀スポットのオーバーナイト金利も、基本的にGMOクリック証券が最もオトクです。
金スポットで発生するオーバーナイト金利は以下になります。
- GMOクリック証券:毎日金利調整額の受け払い発生
買:-¥10
売:+¥8 - DMM.com証券:毎日スワップポイントの受け払い発生
買:-¥12
売:+¥7 - サクソバンク証券:毎日スワップポイントの受け払い発生
買:-¥16
売:+¥6 - IG証券:毎日ファンディングコストの受け払い発生
買:-¥27
売:+¥17
金スポットでは、ロングポジションのときに支払いが、ショートポジションのときに受け取りが発生しますが、GMOクリック証券は支払額・受取額ともに最もオトクな水準にあります。(IG証券の受取・支払金額が多いのは、取引単位が大きいため)
金CFDのオーバーナイト金利比較の詳細は、以下で具体的に紹介しているので、深く理解したい方はこちらの記事もあわせてご覧ください。
商品CFD:基本的にGMOクリック証券でOK、GMOにない商品ならIG証券の期限あり商品がいい。証拠金不足の場合はサクソバンク証券
商品CFDに関しても基本的にはGMOクリック証券を利用すればOKです。他社と異なり毎日支払いが発生しません。
- GMOクリック証券:毎日の支払いなし。月1回の価格調整額で受け払い
- DMM.com証券:毎日の支払いなし。月1回のスワップポイントで受け払い
- サクソバンク:毎日「売り」「買い」ともにキャリングコスト支払い
- IG証券:毎日「売り」「買い」ともにファンディングコスト支払い
DMM.com証券も毎日の支払いが発生せず、月1回の受け払いで差額を相殺するため、GMOクリック証券と同水準のオトク度ですが、商品数がGMOより少ないためあえてDMM.comを選ぶメリットは少ないと言えます。
GMOクリック証券に存在しない商品(原油、大豆、コーン、天然ガス以外)なら、IG証券の期限ありCFD(先物が原資産)であればオーバーナイト金利が0のためオトクです。
ただし、IG証券の期限ありCFDは、必要となる証拠金が多額になるため、100万円以上のまとまった資金がある人向けになります。
プラチナや北海原油、無鉛ガソリン、ヒーティングオイルあたりはスプレッドもお手頃で重宝しています。
CFDでトレンドフォロー戦略でトレードする場合、トレードする市場を広げ多くのトレンドを掴むことが重要になってくるので、市場を広げたい方はぜひサクソバンクを利用してみてください。
また、原油CFDのオーバーナイト金利の計算方法や詳細比較は以下の記事で解説しているので、深く理解したい方はぜひご覧ください。
まとめ:GMOクリック証券はオーバーナイト金利が発生しない商品が多く、ほとんどの人にとって最初のCFD会社に最適
CFDで中長期の投資をする場合、オーバーナイト金利が重要になりますが、GMOクリック証券なら多くの商品で毎日の支払いなしにポジションを保有することができます。
「5日以上スウィングトレードで大きな利益を狙いたい」
「トレンドフォロー戦略で中長期の保有をして莫大な利益を狙いたい」
こんな人もGMOクリック証券がトレードをするのが良い選択肢となります。
他社では余分なコストがかかってしまうため、単純にもったいないです。
GMOクリック証券は、取扱銘柄も比較的多く、中長期のトレンドトレーダーの方にとってもチャンスを掴みやすい証券会社です。
まだ口座をお持ちでない方は、この機会に口座開設をしておきましょう。
他のCFD会社との比較はこちら記事をご覧ください。