こんにちは、CFDで資金200万円を運用しているシータ(@trade_theta)です。
「自分の手法の破産確率を知りたいな」
「そもそも破産確率ってどうやって計算するの?」
そんな方向けにこの記事ではバルサラの破産確率表について徹底解説します。
- 自分のトレード手法の破産確率が分かる
- 破産確率を下げるためにやるべきことが分かる
なお「破産確率」や「期待値」などトレードで勝つために必須の事前知識は、以下の記事で解説しているのでこれからCFDを始める方はぜひ一度ごらんください。
また、「初心者向けのおすすめ証券会社」、「観点別の証券会社比較」、「取扱商品ごとの証券会社比較」、「その他の金融商品との比較」などCFDに関する網羅的な情報は「CFD口座の比較!初心者向けのおすすめ国内業者・証券会社を紹介」にまとめているので、これからCFDを始める方はぜひ一度目を通してみてください。

目次
バルサラの破産確率表とはなにか
バルサラの破産確率とは、ナウザー・バルサラさんの「マネー・マネジメント・ストラテジー・フォー・フューチャーズ・トレーダーズ(Money Management Strategies for Futures Traders)」で書かれたもので、日本語の書籍ではプレント・ペンフォールド著の「システムトレード 基本と原則」の中でも紹介されています。
破産確率表は次のようなものです。

表は横軸が勝率、縦軸がリスクリワードレシオ、表中の値が破産確率になります。
例えば、もしあなたのトレード手法が「勝率30%、リスクリワードレシオ2.4」の数値を持つ場合、破産確率は19.14%となります。
破産確率を決定する3つの変数
破産確率は次の3つの変数から導かれます。
- 勝率
- リスクリワードレシオ
- リスクにさらす資金割合
破産確率の変数1:勝率
勝率は、勝ちトレードの回数を全トレード数で割ったものです。
勝率 = 勝ちトレード数 / 全トレード数
破産確率の変数2:リスクリワードレシオ(ペイオフレシオ・損益率)
リスクリワードレシオは、平均利益を平均損失で割った割合のことです。ペイオフレシオ・損益率などとも呼ばれます。
リスクリワードレシオ = 平均利益 / 平均損失
平均利益は「利益を出したトレードの平均利益」のことで、「全トレードの平均利益」ではないことに注意してください。
平均損失も「損失を出したトレードの平均損失」のことになるので、誤解しないように注意です。
例えば、トレードを100回やったときの平均利益が2万円、平均損失が1万円ならリスクリワードレシオは2になります。
- 平均利益:2万円
- 平均損失:1万円
- リスクリワードレシオ:2.0 (=2万円/1万円)
破産確率の変数3:リスクにさらす資金割合
「リスクにさらす資金割合」は、投資に使う予定の資金に対して、1回のトレードで失う最大金額の割合のことです。
リスクにさらす資金割合:1回のトレードで失い最大金額 / 全投資資金
例えば、元手資金100万円(=全リスク資産)でトレードをするとします。
1回のトレードで損失が10万円になるところで損切りの逆指値を必ず入れるとすると、1回のトレードでリスクにさらす金額は10万円になります。
- 元手資金:100万円
- 1回のトレードでリスクにさらす金額:10万円
この場合、リスクにさらす資金割合は次のようになります。
リスクにさらす資金割合:10%(=10万円 / 100万円)
破産確率の計算式
破産確率の3つの変数を使った計算式は次のとおりです。
次の式を満たす変数Xがあるとき
- 勝率 * X ^ (リスクリワードレシオ+1) + (1−勝率) − X = 0
- ただし、0 < X < 1
以下の式で破産確率が求まる
- 破産確率 = X ^ (1/リスクにさらす資金割合)
破産確率の計算式はちょっと複雑なのでエクセルやプラグラムで計算する必要があります。
バルサラの破産確率表
破産確率は、リスクにさらす資金割合に応じて変わります。
リスクにさらす資金割合20%の破産確率表

トレードの期待値がマイナス(0以下)の場合、破産確率は100%になります。
リスクにさらす資金割合10%の破産確率表

リスクにさらす資金割合5%の破産確率表

リスクにさらす資金割合3%の破産確率表

リスクにさらす資金割合2%の破産確率表

リスクにさらす資金割合1%の破産確率表

ここまで来ると0%の部分と100%の部分がはっきりとわかれてきます。
破産確率を知る重要性:期待値がプラスのトレードでも「リスクにさらす資金割合」が高いと破産確率が高まる
期待値がプラスになるトレード手法を持っていても、リスクにさらす資金が高すぎると破産するリスクは高まります。
例えば以下の前提条件でAさん、Bさん、Cさんの3人がトレードをするとします。
- 勝率:56%
- リスクリワードレシオ:1
- 元手資金:3人とも100万円でスタート
上記は期待値がプラスになるトレードです。
3人は以下の金額を1回のトレードでリスクにさらします。
- Aさん:リスクにさらす資金割合20%
- 1回のトレードで20万円のリスクを取る
- (20万円マイナスで損切りする)
- Bさん:リスクにさらす資金割合10%
- 1回のトレードで10万円のリスクを取る
- (10万円マイナスで損切りする)
- Cさん:リスクにさらす資金割合2%
- 1回のトレードで2万円のリスクを取る
- (2万円マイナスで損切りする)
元手資金は等しく、トレード手法も期待値はプラスの全く同じもので、異なるのは「リスクにさらす資金割合」だけですが、3人の破産確率は次のようになります。
- Aさん:29.94%
- Bさん:8.96%
- Cさん:0%
Aさんは全投資金額の20%をリスクにさらすので5回連続で負けてしまうと破産してしまいます。Bさんは10回連続負けで破産です。
対してリスクにさらす資金割合が2%のCさんは50回連続で負けてやっと破産です。50回連続負けする可能性は限りなく低いため、破産確率も0%になります。
破産確率を下げるためにできること
破産確率を下げるには次の3つの方法があります。
- リスクにさらす資金を少なくする
- 勝率を上げる
- リスクリワードレシオを上げる
リスクにさらす資金割合を少なくする
リスクにさらす資金を少なくすることは誰でも簡単に実践できるので、まずはここから着手しましょう。欲を出してリスクを取りすぎて破産してしまったら元も子もありません。
僕もかつてリーマンショックの頃にFXで500万円を失った経験がありますが、あの頃は「破産確率」や「リスクにさらす資金割合」の知識がありませんでした。
今思えば破産して当然のトレード手法をとってしまっていました。この記事を読んでいる方には僕と同じように数百万円も失ってほしくありません。
必ずリスクにさらす資金割合は抑えるようにしてください。理想的には2%以下にするのが良いとされています。
勝率を上げる・リスクリワードレシオを上げる(期待値を上げる)
勝率を上げる、リスクリワードレシオを上げることも破産確率を下げることに繋がります。
ただし、現実的には勝率も高く、リスクリワードレシオも高いトレード手法というのはなかなか存在しません。
勝率は低いけど、リスクリワードレシオが高い手法、勝率は高いけどリスクリワードレシオは低い手法となることが多いです。
- 勝率低い・リスクリワードレシオ高い:長期トレンドフォロー手法
- 勝率高い・リスクリワードレシオ低い:短期カウンタートレンド手法
トレンドフィルターを入れてノイズを除去することでダマシを減らし、勝率を高めることなどもできるので、ここは自分の手法を少しずつ改善して数値を高めていくのが良いと思います。
より詳しく理解したい方は「システムトレード 基本と原則」に一度目を通しておくことをおすすめします。
なお、現物よりKindle版が劇的に安いので、電子書籍に抵抗がない方はKindleで買うとお得です。
まとめ:破産確率を知り、破産確率が0%となるトレードを心がけよう
破産確率が1%でもあるトレード手法は、将来に渡り何千、何万回とトレードを重ねていくといずれ破産してしまいます。
なので、目指すべきは破産確率が0%のトレードです。
そのためには「リスクにさらす資金割合」を下げ、トレードの期待値を上げる必要があります。
過去の僕も含め、初心者が最も陥りやすいのは最初から「リスクにさらす資金割合」を高くトレードしてしまうことです。破産確率をいたずらにあげてしまいます。
初心者の方は期待値がプラスのトレードができていることも少ないなので、まずは「リスクにさらす資金割合」を1%以下でトレードすることをおすすめします。これだけで破産する確率を劇的に減らせるはずです。
また、初心者の方がCFDを最初に証券会社はGMOクリック証券がおすすめです。
低コストなため無駄なコストを排除でき、銘柄数も必要十分なので、初心者の方に最適です。
僕はCFDで中長期のトレンドフォロー戦略を実践中で、GMOクリック証券をメイン口座として利用しています。
CFDを始めようとしていてまだ口座をお持ちでない方は、この機会に口座解説しておきましょう。
他のCFD会社との比較はこちら記事をご覧ください。
