こんにちは、トレンドフォロー戦略で資金200万円を運用しているシータ(@trade_theta)です。
「トレードはトレンドフォローがいいと聞いたけどどんなものなのか良くわからない」
こんな方向けに僕が実際に実践して感じるトレンドフォローの特徴・メリット・デメリットをご紹介します。
- トレンドフォローのメリットは暴落に強く、株式と相性がよく、売買ルールがシンプル
- トレンドフォローのデメリットは勝率が低く、管理が大変で、まとまったお金が必要なこと
なお「破産確率」や「期待値」などトレードで勝つために必須の事前知識は、以下の記事で解説しているのでこれからCFDを始める方はぜひ一度ごらんください。
また、「初心者向けのおすすめ証券会社」、「観点別の証券会社比較」、「取扱商品ごとの証券会社比較」、「その他の金融商品との比較」などCFDに関する網羅的な情報は「CFD口座の比較!初心者向けのおすすめ国内業者・証券会社を紹介」にまとめているので、これからCFDを始める方はぜひ一度目を通してみてください。
目次
トレンドフォロー戦略とは
トレンドフォロー戦略は、その名のとおり、「トレンドをフォローする=トレンドについていく」手法で、いわゆる「順張り」のトレード手法です。
「順張り」とは、市場のトレンドの流れの方向に仕掛けていく方法で、価格があがっていく上昇トレンドであれば「買い」を仕掛け、価格が下っていく下落トレンドであれば「売り」を仕掛けます。
トレンドフォロー戦略は、マネージド・フューチャーズやCTA(商品投資顧問業者)と呼ばれるヘッジファンドに長年使われてきた手法です。
トレンドフォロー戦略では以下の先物市場の銘柄をトレードします。
- 為替
- 株価指数
- コモディティ
- 債券
CTAは上記銘柄をトレンドフォローでトレードして、何十年にもわたり莫大なリターンを上げ続けています。
有名なCTAの年次リターンは次のようになっています。
トレンドフォロー戦略のメリット
- 800年利益を上げ続けている実績がある
- バブルや暴落時に強い
- 株式と組み合わせるとリターンを高められる
- 売買ルールがシンプル
800年利益を上げ続けている実績がある
トレンドフォローの利益の源泉は、人の感情の動き(興奮、恐怖)です。
相場に人が関与し続ける限り、この感情による動きは普遍的に存在し、感情の動きがある限り「極度の買われすぎ」「極度の売られすぎ」といった行き過ぎたトレンドが発生します。
トレンドフォローのすべてが書かれた偉大な本「トレンドフォロー大全」に、1300年から存在する先物市場の値動きデータを用いて、トレンドフォロー戦略を実践した場合、どのぐらいのパフォーマンスになるのかを計算したグラフが載っています。
また、株式・債券のバイ・アンド・ホールド、いわゆる長期保有のパフォーマンスと、トレンドフォローのパフォーマンスを比較したものが次の表です。(対象期間は1223年〜2013年)
参考:「トレンドフォロー大全」
トレンドフォローは「特定の時期にだけ利益が出る」というものではなくて「長期的に持続して利益が出せる」ことを歴史が証明してくれています。
バブルや暴落時に強い
トレンドフォロー戦略の利益の源泉は、人の欲望や恐怖によって生まれる「トレンド」です。
トレンドフォロー戦略がバブルや暴落時に強いのは、人の感情が極端な方向に行き過ぎることでボラティリティが大きくなり、強烈なトレンドが発生するからです。
たとえば、ITバブルのあった2002年にトレンドフォロー実践しているCTA(ヘッジファンド)のパフォーマンスをまとめたものがこちらです。
参考:「トレンドフォロー大全」
ITバブル後の2002年、S&P500やナスダック、NYダウの米国の主要株価指数は-16%〜32%の大幅マイナスでした。
一方、トレンドフォローを実践していたCTAは、+10%〜+54%の素晴らしいリターンを叩き出しています。
以下はブラックマンデーが起きた1987年のトレンドフォロワーのパフォーマンスです。
参考:「トレンドフォロー大全」
1987年のS&P500のリターン2%(ブラックマンデー前に大幅にあげていたためプラス)と比べると、圧倒的に高いリターンを叩き出しています。
そのほかの歴史的イベント時のトレンドフォローのパフォーマンスは次のとおりです。
参考:「トレンドフォロー大全」
バークレイCTA指数というのは、マネージド・フューチャーズの成績をまとめたもので、トレンドフォロワーのパフォーマンスの目安として使えます。
僕も2019年の秋頃からトレンドフォローを実践中ですが、コロナショックが起きた2月末から3月にかけて米国債ロング、原油ショート、株価指数ショートが利益を伸ばし、2020年の年初来パフォーマンスは既に40%を超えています。
トレンドフォローによるトレード例
たとえば、米国10年債券は2020年1月24日にシグナルが点灯し、ロングでエントリー。そこから債券バブルに突入し利益が伸び続けています。
また、原油は2020年2月3日にシグナルが点灯し、ショートでエントリー。
こちらも急落を挟んで下落が続いていて利益が伸びています。
為替はカナダドルで2月26日にシグナルが点灯しエントリー。
株価指数では、イギリスとFTSE100が2月28日にシグナルが点灯しエントリーしています。
このように暴落時はありとあらゆる資産が連動して恐怖に包まれるので、急激なトレンドが発生しやすく、利益が出やすくなることをリアルタイムで実感しています。
株式と組み合わせるとリターンを高められる
トレンドフォロー戦略は、株式や債券などの伝統的な資産クラスと組み合わせることで、ポートフォリオ全体のパフォーマンスを上げることができます。
これは、トレンドフォロー戦略の収益カーブが、株式や債券と相関が低いためです。
株式指数とトレンドフォローを組み合わせたパフォーマンス、債券指数とトレンドフォローを組み合わせたパフォーマンスをまとめたものが次の表です。
参考:「トレンドフォロー大全」
- リターン:組み合わせると株式とトレンドフォローの中間のリターンになっている
- 標準偏差(リスク)」:株式、トレンドフォロー単体よりも組み合わせた場合の方が数字が小さくなり、リスクが減少している
- シャープレシオ:株式、トレンドフォロー単体よりも組み合わせた場合の方が数字が大きくなり、リスクあたりのリターンが大きくなっている
債券とトレンドフォローも株式と同じ傾向にあります。
株式とトレンドフォローの配分を変更したとき、リスクとリターンがどのように変化するのかを表した図がこちらです。
参考:「トレンドフォロー白書」
トレンドフォロー白書によると、トレンドフォローの配分を40%、株式を60%の配分でポートフォリオを組むと、リスクあたりのリターンが最大化できるとのデータがありました。
売買ルールがシンプル
トレンドフォロー戦略は、トレンドが発生したらエントリーして、トレンドが消滅したら損切・利確をすることになりますが、そのための売買ルールはとてもシンプルにになることが多いです。
売買シグナルによく使われるのは次のようなものがあります。
- ブレイクアウト手法
買い:X日間高値を更新したら買い、Y日間安値を更新したら決済
売り:X日間安値を更新したら売り、Y日間高値を更新したら決済 - 移動平均線
買い:長期MAを短期MAが上にクロスで買い、下にクロスで決済
売り:長期MAを短期MAが下にクロスで売り、上にクロスで決済 - ボリンジャーバンド
買い:Xシグマを上抜けで買い、Yシグマ以下への戻りで決済
売り:Xシグマを下抜けで売り、Yシグマ以上への戻りで決済
トレンドフォロー戦略のデメリット
- トレンドフォローは勝率が低い
- 多くの銘柄の監視が必要
- ある程度の資金が必要
トレンドフォローは勝率が低い
トレンドフォローの勝率は、だいたい30%前半、調子がよくても40%弱ぐらいになることが多いので、それなりにストレスがかかります。
トレンドフォローはいわゆる「損小利大」と呼ばれる「損切りは早く、利益はできるだけ遅く確定させる」ことを目指す手法です。
損切りを早くすると、損失は小さく抑えることができますが、損切りにひっかかる回数が増えるため、勝率は下ってしまいます。
いわゆる「コツコツドカン」と呼ばれる「コツコツ勝ちを重ねドカンと負ける」というパターンの真逆になります。
「コツコツ負けてドカンと勝つ」ので、コツコツ負けているときはじわじわと資産が減る時期があり、精神的につらくなることがあるかもしれません。
多くの銘柄の監視が必要
トレンドフォローで利益を出すには、トレンドが発生するマーケットでトレードをする必要があります。
つまり、トレードするマーケットの数は多ければ多いほど、トレンドを取りこぼさなくなるので有利になるんです。
トレンドフォローでそれなりにトレンドを拾うためには、すくなくとも20銘柄以上でトレードすべき、などと言われたりします。
実際、リチャードデニスが育てた伝説のトレーダー集団「タートルズ」は、21の銘柄でトレンドフォローをやっていました。
タートルズがトレードしていたとされる銘柄はこちらです。
また、本物のヘッジファンド担当者が書いた本「トレンドフォロー白書」では、次の50銘柄を取引対象として20年間のトレード成績が取り上げられています。
公式サイトによれば、実在するCTA、ダンキャピタルでは、以下の53銘柄でトレンドフォローが運用されています。
僕も今は35銘柄をトレード対象として、毎日監視しています。
面倒そうに見える作業ではあるんですが、TradingViewでウォッチリストを作成して、1つずつポンポンと見ていくだけなので、実際には5分ぐらいで完了します。
トレンドフォロー戦略は「損小利大」なトレードである以上、貴重な大勝利を1つでも取りこぼすとパフォーマンスが大きく変わってしまいます。
ある程度の資金が必要
トレードする銘柄が多くなると、必要となる資金の額も大きくなってしまいます。
少なすぎる資金で多くの銘柄をトレードをすると、レバレッジのかけすぎにつながり、リスクを取りすぎた危険な運用となってしまいます。
破産しないための資金管理については「タートルズのATRをつかった資金管理を徹底解説|実際のトレードでの具体的な使い方を紹介」で詳細に解説しているので、まだ目を通していない方はぜひ一度ご覧ください。
「タートルズのATRをつかった資金管理を徹底解説|実際のトレードでの具体的な使い方を紹介」で解説しているように、トレードで破産しないために資金管理は必要不可欠で、一般的に安全とされるのは「1トレードでリスクにさらす資金割合を1%〜2%に抑える」というものです。
「リスクにさらす資金」というのは「損切り時に失う可能性のある金額」のことで、「リスクにさらす資金割合」とは全投資予算に対して「リスクにさらす資金」が占める割合はどのぐらいかを表したものです。
たとえば、全投資予算が100万円の場合つぎのようにします。
- リスクにさらす資金割合が1%:損切り時の損失が1万円におさまるようにする
- リスクにさらす資金割合が2%:損切り時の損失が2万円におさまるようにする
上記のようになるため、必然的に必要となるお金は多くなります。
まとめ:トレンドフォローをするならGMOとサクソバンク、IG証券を使いこなそう
トレンドフォローは「ある程度の資金が必要」で「多くの銘柄管理が必要」なため中級者以上の方向けとなってしまいますが、その壁を乗り越えられれば暴落時にも心強い味方を手にすることができます。
多くの銘柄をトレードするために、CFD会社を以下のように使い分けるのがおすすめです
僕はこのCFD会社の使い分けで、コロナショックによる暴落相場で+40%以上のリターンが出せたのでおそらくそこまで大失敗な選択になる可能性は低いと思います。
まだ口座をお持ちでない方はこの機会に作っておきましょう。
他のCFD会社との比較はこちら記事をご覧ください。