こんにちは、2018年分から副業の確定申告を始めるシータ(@tsumitate_theta)です。
僕は副業とは別に不動産投資の法人を持っているのですが、そちらではMFクラウドを利用していて、だいたい使い勝手は分かっていました。
一方、個人事業の方では「開業freeeは口コミ・評判通り?開業届・青色申告をやってみたら秒速で完成して感動した話」で紹介しているとおり、簡単に開業届・青色申告書を作れるサービスをfreeeが提供してくれていたので、freeeを利用することにしました。
両方使ったことがあるので日々の使い勝手は分かるものの、事業所得の確定申告(青色申告)は今回が初めて。
そこでfreeeとMFクラウド、確定申告をするのに使いやすいのはどちらかを調べるために、両方とも有料プランを契約して実際に確定申告書を作成してみました。
freeeだけじゃなく念のためMFクラウドでも確定申告書作って見てるけど、MFクラウドの方は手書きと変わらないんじゃない?ってぐらい使いにくくないですかね
初心者にとってのとっつきやすさは
1. freee
2. 確定申告書作成コーナー
3. MFクラウド
かな。— シータ@ブログ攻略中7万PV突破 (@tsumitate_theta) 2019年1月17日
結論から言うと、確定申告の初心者の方はfreeeがおすすめです。どこに何を書けば良いか知らなくとも、質問に答えるだけで申告書が作成できるためです。
何度か確定申告をしたことある人やあまり所得控除を活用しない人は、MFクラウドでも良いかなと思いました。
この記事では、確定申告書を作る際のfreeeとFMクラウドの徹底比較をご紹介します。
- MFクラウドとfreeeのふるさと納税の書き方の違いが分かる
- MFクラウドとfreeeの医療費控除の書き方の違いが分かる
- MFクラウドとfreeeの損益通算・損失繰越(特定口座)の書き方の違いが分かる
- MFクラウドとfreeeの料金プランの違いが分かる
- MFクラウドとfreeeのどちらがあなたにおすすめか分かる
MFクラウドとfreeeの確定申告の書き方を比較
全体通しての違い:freeeは利用者ファースト、MFクラウドは申告書ファースト
freeeの入力方法
freeeの確定申告書の入力は質問形式になっています。
質問に○か×で答えていき、必要な情報を入力すると勝手に確定申告書が出来上がります。
紙のどこに何を書けば良いのか全く知らない人でも簡単に作成できちゃいます。
MFクラウドの入力方法
MFクラウドの確定申告は、申告書の項目をベースに作られています。こんな画面です。
周辺には「申告書のどの部分に該当するか」が分かるように申告書の画像が置いてあったり、書き方のヘルプに当たる参考リンクがたくさん置いてあるのですが、パッとこの画面を見たときにどこに何を書けば良いのかが初心者の僕には分かりませんでした。。。
例えば「仮想通貨の所得」は「雑所得->その他」に書くのが正解なのですが、いろんなサイトを調べるまで僕にはそれが分かりませんでした。
なので、今後改善がなされていくとは思いますが、現時点のMFクラウドは初心者向けではないように感じました。
むしろ、国が提供している「確定申告書等作成コーナー」の方が分かりやすいです。
もともと確定申告書を書いたことがある人はMFクラウドでも問題ないと思います。
仮想通貨の所得の書き方だけでなく、副業・個人事業主でも使う機会のある次の項目の書き方について両者の違いをみてみます。
- ふるさと納税
- 医療費控除
- 特定口座の損益通算、損失繰越
ふるさと納税の書き方
freee:ふるさと納税の書き方
freeeでは「ふるさと納税などの寄付をしましたか?」の質問に「はい」を選択すると、データを入力する行が表示されます。
ふるさと納税先のから送られてくる「寄付金控除証明書」をみながら次の項目を入力します。
- 分類:「ふるさと納税」を選択
- 寄付年月日
- 寄付先の所在地
- 寄付先の名称
- 金額
全件入力し終えたら「保存」をクリックして入力完了です。
MFクラウド:ふるさと納税の書き方
MFクラウドでは、最終的に申告書に記入するものと同じ書き方をします。
- 寄付先の所在地・名称:「茨城県境町など」と寄付先を省略して書く
- 寄付金:ふるさと納税に使った全額を書く
- 寄付金控除:ふるさと納税に使った金額-2000円を書く
- 住民税:都道府県・市区町村:ふるさと納税に使った全額を書く
医療費控除の書き方
freee:医療費控除の書き方
freeeでは「病気等で病院に行ったり、医療用の市販薬を購入しましたか?」に「はい」と答えると、追加で選択項目が表示されます。
適用する控除を選択します。僕は不妊治療で多額の医療費がかかったため「医療費控除」を選択しました。
freeeの医療費控除で感動したのは、「確定申告書等作成コーナー」で使える公式が指定している医療費集計フォームからそのままデータをインポートできることです。
CHECK! 医療費集計フォームのダウンロード:平成29年分 確定申告特集
「医療費控除はいくらから対象?還付金はどのぐらい?申請方法まで徹底解説」でも書いていますが、僕は医療費集計フォームを使って日々の医療費をまとめていたので、作りなおさずに済んでとても助かりました。
インポートするとこのようになります。
内容を確認して金額のズレなど問題がなければ「保存」をクリックして完了です。
もちろん件数が少ない人は手入力でも簡単にできるから安心して!
MFクラウド:医療費控除の書き方
MFクラウドでは、医療費控除も確定申告書ベースでの書き方になります。
最大の問題は「医療費の明細書」を自分で作成せねばならない点です。
MFクラウドで医療費控除を使いたい人は、以下のいずれかの対応をすることになると思います。
- 国税庁の「医療費の明細書様式」を印刷して手書きで記入
- 「確定申告書等作成コーナー」でデータを入力→生成される「医療費の明細書」を印刷
MFクラウド内で完結できないのが難点です。
特定口座の損益通算、損失繰越の書き方
僕の2018年は特定口座で損失を出したため、他の特定口座間で損益通算をすることにしました。
- SBI証券:特定口座で損失あり
- ウェルスナビ:海外ETFからの配当をもらった
- 持株会:会社の持株から配当をもらった
freee:特定口座の損益通算、損失繰越の書き方
freeeは「株式の取引はありますか?」の質問に「はい」と答えると、以下のような追加の入力項目が出てきます。
ほとんどの方が「特定口座(源泉徴収あり)」を利用していると思います。口座区分は「特定口座(源泉徴収あり)」にチェックを入れます。(僕は「持株会の配当」も入力するため「一般口座(上場)」にもチェックを入れました)
「特定口座(源泉徴収あり)」を利用すると証券会社から「特定口座年間取引報告書」が発行されていると思います。この紙orPDFを手元に用意して入力するとスムーズです。
丁寧に番号を振ってくれているので、特に迷うことなく入力できると思います。
必要な項目を入れましょう。
続いて「年間取引報告書」が存在せず、代わりに「配当支払通知書」がある場合の入力です。
支払い通知書に記載の通り数字を入力します。「銘柄名」には市場で取引されている銘柄名を、「支払いの取扱者」には自分の会社名を記入します。
全てのデータを入力すると、このような表示になります。
ここまでの入力を終えれば、あとはfreeeが計算をして必要な書類を自動で生成してくれます。
MFクラウド:特定口座の損益通算、損失繰越の書き方
MFクラウドのよくある質問にもありますが、MFクラウドは特定口座の損益通算、損失繰越に未対応です。
CHECK! 分離課税や損益通算がある場合の申告書作成方法を知りたい | マネーフォワード クラウド確定申告
- 手書きで作成する
- e-Taxで作成する
- 確定申告書作成コーナーで作成する
自分で書き方を調べて作成する必要があります。
freeeはその他多くの所得、控除に対応済み
- 事業所得、不動産所得
- FXの所得
- 仮想通貨の所得
- 雑所得、配当所得、一般所得
- 士業への源泉徴収額
- 前年度の損失繰越
- 配偶者控除
- 扶養控除
- 生命保険
- 地震保険
- 国民年金
- 国民年金基金
- 国民健康保険
- その他の社会保険料
- 小規模企業共済、確定拠出年金
- 住宅ローン控除
- 予定納税
- 地代家賃の記載
MFクラウドとfreeeの価格も比較
確定申告の使い勝手の紹介を終えたところで、最後にMFクラウドとfreeeの料金プランの比較もしておきます。
両者の入門者向けの料金プランは次のとおりです。
項目 | MFクラウド フリー プラン | MFクラウド ベーシック プラン | freee スターター プラン | freee スタンダード プラン |
---|---|---|---|---|
月額(税抜) | 無料 | 800円/月 | 980円/月 | 1980円/月 |
年額(税抜) | 無料 | 8800円/年 | 9800円/年 | 19800円/年 |
仕訳件数 | 年間50件まで | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
メール サポート | ○ | ○ | ○ | ○ (優先対応) |
チャット サポート | 最初の 30日のみ | ○ | ○ | ○ (優先対応) |
電話 サポート | × | × | × | × |
データの エクスポート | × | ○ | ○ | ○ |
請求書 見積書 納品書 領収書 | MFクラウド 請求書 別料金 500円/月〜 | MFクラウド 請求書 別料金 500円/月〜 | ○ | ○ |
MFクラウドの最大の利点は無料プランがあることです。仕訳の件数が年間50件以下であれば、無料で確定申告書まで作成できます。
freeeの方は最も安いスタータープランが月980円ですが、これには請求書機能が含まれています。MFクラウドで請求書を利用するには、月500円の別サービスの契約が必要です。
請求書、見積書、納品書、領収書が必要になる仕事の方は、freeeの方が相対的に割安になりそうです。
また、freeeで「初めてクラウド会計を使うよ」という方は「スタータープラン」で十分です。コアな機能はすべて使えます。
こんな方はfreeeがおすすめ
freeeがおすすなのはこんな人です。
- 確定申告を楽にしたい人
- 仕訳の知識ゼロの人
- ふるさと納税を使う人
- 医療費控除を使う人
- 特定口座の損益通算、損失繰越を使う人
- その他、各種所得・控除を活用したい人
- 請求書、見積書、納品書、領収書を使う人
CHECK! freeeの確定申告を見てみる
こんな方はMFクラウドがおすすめ
こんな人はMFクラウドがおすすめです。
- まだ売上が少ないので無料で始めたい人
- 仕訳の知識がある人
- 確定申告を自分でしたことがある人
- 医療費控除を使わない人
- 特定口座の損益通算、損失繰越を使わない人
- 請求書、見積書、納品書、領収書を使わない人
- 家計簿アプリマネーフォワードを使っている人
CHECK! MFクラウドの確定申告を見てみる
まとめ:無料で始めるならMFクラウド、個人が確定申告で税制優遇を活用しきるならfreeeがおすすめ
僕は多くの所得や所得控除を活用したいのでfreeeを選びました。
ですが、副業を始めたばかりで売上がまだ0円の方はfreeeを選ぶ必要はありません。
僕もMFクラウドの個人アカウントは、3年前から無料プランを持っていてそれで仕訳の仕方を覚えたりしました。
- 最初はMFクラウドを無料で始める
- いざ売上が立ち始めて確定申告が必要になったらfreeeを試してみる(freeeも最初の1ヶ月は無料で使える)
- 使い勝手の良かった方に課金する
この始め方であれば両方を吟味した上で相性の良い方を選べると思います。
もちろん「両方試すのが面倒だよ」「課金してもいいから今年の確定申告からすぐに使いたいよ」という方は最初からfreeeを使うのが良いと思います。
クラウド会計を駆使すれば、個人でも楽に副業・個人事業の確定申告をできます。まだの方はこの機会にぜひトライしてみてください!