こんにちは、インデックス投資で1000万円を運用しているシータ(@tsumitate_theta)です。
「つみたてNISAで債券はどのぐらい取り入れるのがいいんだろう?」
「つみたてNISAで債券は不要って人もいるけど本当はどっちなの?」
こんなお悩みをお持ちの方も多いかもしれません。
結論を先に言ってしまうと、つみたてNISAでは債券は不要です!株式100%でOKです。
この記事では、つみたてNISAで債券が不要な理由をご紹介します。
- つみたてNISAで債券が不要な理由がわかる
- 債券が必要なシーンが分かる
- バランス型ファンドは必要かどうか分かる
- それでも債券を買いたい人はどうすればいいか分かる
なお、「iDeCo・NISAとの違い」「おすすめの資産配分」「金融機関」「商品」などつみたてNISAの網羅的な攻略情報は「つみたてNISAサイトマップ」にまとめているので、これからつみたてNISAを始めようという方は、ぜひご覧ください。
CHECK! つみたてNISAサイトマップ
また、その他の「抑えておきたい運用のポイント」について知りたい方は「積立NISA(つみたてNISA)の運用方法|抑えておきたいポイントまとめ」をご覧ください
文字を読むのが面倒な方向けに動画でも解説しているので、簡単に内容を理解したい方はぜひ一度ご覧ください。
目次
つみたてNISAで債券は必要?【長期投資では不要です】
- 長期で見ると株式の方がリスクが低くなる
- 長期で見ると株式の方がリターンが高い
- 債券はインフレに弱い
長期で見ると株式の方がリスクが低くなる
「え?株式の方がリスクが低いの?!」と意外に思うかもしれませんが、株は長期保有になればなるほどリスク(価格のバラツキ)が減ることが知られています。
シーゲル先生の「株式投資の未来」で紹介されている、保有期間別で株と債券のリスクの移り変わりを示したものがこちらです。
参考:株式投資の未来
短期の1年で見れば当然株式のリスクは高いです。この図でも18%になっています。
ですが、保有期間が伸びるにつれてリスクはどんどん下がっていき、20年になると債券と並びます。さらに30年までいくと債券の3/4程度までリスクが下がります。
はじめはリターンの変動が大きいけど、次第に変動は収束していき、期待リターンに落ち着くことを示してます。
なので、長期保有が前提のつみたてNISAでは、価格変動のリスクに債券で備える必要はありません。
ここまでを読んで「リスク?リターンって何?」という方は「投資信託のリスクとリターンとは?計算方法と考え方を解説」で解説しているので先に読んでいただくとここからの理解がスムーズです。
CHECK! 投資信託のリスクとリターンとは?計算方法と考え方を解説
長期で見ると株式の方がリターンが高い
これは言うまでもないことかもしれませんが、資産運用の利益に当たるリターンで比較すると、債券よりも株式の方がリターンは高いです。
こちらもシーゲル先生の本から、1802年から2003年までのインフレ調整後の実質トータルリターンの図を引用します。
参考:株式投資の未来
株式(このグラフは米国株)は2003年まで保有し続けると、59万ドルまで増えています。実に59万倍です。
債券は長期国債で1000ドル、短期国債で300ドルなので、圧倒的に差が出ていますね。
このグラフは期間が長すぎるので金額に大きな差が出すぎていますが、同書の中で紹介されている実質リターンで比べると次のようになります。
- 株式(米国):6.5%
- 長期国債:1.8%
- 短期国債:1.0%
期間:1900年〜2003年
債券はインフレに弱い
債券は安定的に利息がもらえることがメリットですが、保証されているのは利息の額面上の金額だけです。
インフレになると1円の価値が下がってしまうので、金額固定の利息では実質リターンが下がってしまいます。
逆に株式はインフレに強い
逆に株式はインフレに強いです。
インフレで物価が上がると、企業の売上も上がるので最終的に株式の価格も上昇します。
長期で見ればインフレの影響を株式は完全に吸収して成長するので、長期投資には株式の方が有利です。
これらの理由から、長期投資が前提となるつみたてNISAでは債券は不要です。
逆に債券が必要になるのはどんなとき?短期投資ではあった方がいいかも
リーマンショックのような暴落時に株だけだとまさに市場からの痛恨の一撃を食らったようなもので、資産が半減してしまう可能性もあります。
ですが、債券を持っていると資産の減少を和らげる「ブレーキ」になってくれるんです。
5年以内の投資なら債券もありかも
先ほどの保有期間で株と債券のリスクがどう変わるかを表した図をもう一度見てみましょう。
参考:株式投資の未来
保有期間が10年の時の株、債券それぞれのリスクは次のとおりです。
- 株式:5%
- 債券:3〜4%
この程度の差であれば、リターンがはるかに大きい株を優先して選んで問題ないように思えます。
保有期間が5年の時はこちら。
- 株式:7%
- 債券:4〜5%
やはり5年程度だと株のリスクの方が高くつくので債券保有はありかもしれません。
でも基本的に5年程度の短期投資はおすすめしない。長期保有なら誰もが平等に資産を増やせるから
ただし、僕は原則的に5年程度の短期保有は推奨しません。このリスクが示すように勝敗が市場に参加したタイミングで決まってしまう運ゲーになりやすいからです。
20年〜30年保有すれば、リスクは減り、株式の高いリターンの恩恵を受けられるはずです。誰もが平等に。
もし5年レベルの短期でお金が必要なら、副業するなりして人的資本による収入アップをすすめるのがおすすめです。
積立NISAでバランス型ファンドはどうなの?【不要です】
つみたてNISAの対象商品の中にはバランス型ファンドというものがあります。
これは株式だけでなく、他の金融商品にも分散投資ができるもので、中には債券にも投資できるものがあります。
ですが、ここまで説明してきたとおり、長期保有であれば債券不要は変わりません。
中途半端に債券が加わることで、全体でのリターンが下がってしまいます。
リターンが下がるということは、せっかくの積立NISAの「運用益が非課税」のメリットも薄れてしまいます。
それでもどうしても債券がないと不安なんです!という方は「特定口座」で債券を保有しよう
「そうは言っても暴落時に債券がないと不安だよ!」「どうすりゃいいんだよ!」という方はつみたてNISA口座ではなく、通常通り利益に課税がされる「特定口座」の方で保有するといいです。
特定口座をおすすめする理由は次のとおりです。
- 債券はリターンが少ないので課税口座でも税金ダメージは限定的
- それでいて暴落時のダメージ軽減効果は期待できる
- つみたてNISA口座の非課税効果は100%株式にして最大限に活かせる
これであれば、つみたてNISAの非課税効果をそのまま残しつつ、暴落によるダメージを軽減できるので防御に力を入れたい人はこのような運用をするのが良いと思います。
投資初心者の方向けのつみたてNISAでおすすめの1本は「eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)」です。詳しくは「ついにeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)が登場!初心者はこれ1本を買えばいい」で紹介しているので初心者の方は見てみてください。
また、つみたてNISAで買うべき商品の選び方やおすすめ商品については「つみたてNISAの商品の選び方!失敗しない5つのポイント」で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
CHECK! つみたてNISAの商品の選び方!失敗しない5つのポイント
まとめ:つみたてNISAはポイント還元がお得な楽天証券で始めよう
つみたてNISAで債券は不要です。債券が含まれるバランス型ファンドも不要です。
どうしても債券を持ちたい場合は、「特定口座」の方で保有してバランスをとりましょう。
つみたてNISAをやるなら「楽天カード払いで積立をすると1%ポイント還元がもらえる楽天証券」が相対的にお得です。
1%コストを安くできると、長期の資産運用で有利に働きます。少しでもリターンを増やしたいので、僕もSBI証券から楽天証券のつみたてNISAへ移管をしました。
口座開設は少し面倒に感じるかもしれませんが、ノーリスクでリターンが増やせるので単純にやらないともったいないです。
今なら期間限定で楽天ポイントをもらえるキャンペーンも開催中です。
まだの口座をお持ちでない方は、お得なこのタイミングで申し込んでおきましょう。
CHECK! 【楽天証券】口座開設キャンペーン
楽天証券と他証券会社の比較は、こちらの記事をご覧ください。
これからつみたてNISAを始めようと考えています。とても参考になり有難いです!
そこで質問なのですが、債券不要の理由はすごく納得がいくのですが暴落した時に高額をかけていると耐えられるか不安な場合は、「eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)」」と株50%債券50%になっている銘柄の両方にそれぞれ投資額を半分ずつ積み立てるのはどうなのでしょうか?
他に、今は新型肺炎の影響で株に影響は出ているのでしょうか?もし下落しているようでしたら今のうちに多くの額を投資するほうがよいのでしょうか?
ご回答いただけると幸いです。
コメントありがとうございます!
>株50%債券50%になっている銘柄の両方にそれぞれ投資額を半分ずつ積み立てるのはどうなのでしょうか?
「一時的な下落に備えたい」ということであれば債券への投資も全然ありだと思います!
ただ、「つみたてNISA」ではなく「特定口座」の方で保有するのがおすすめです。
債券はリターンが低く、つみたてNISAの非課税枠を活かしきれないためです。
>今は新型肺炎の影響で株に影響は出ているのでしょうか?
株価への新型肺炎の影響はさほどありませんでしたが、
本日2/18にアップルが決算の下方修正を発表したことで、
やや雲行きが怪しくなってきています。
これからけっこう下がり始めるかもしれません。
>もし下落しているようでしたら今のうちに多くの額を投資するほうがよいのでしょうか?
僕のおすすめは「下落していようが、下落していまいが、今すぐに投資する」です。
下落していたとして、底がいつになるかわかりません。
明日なのか、3年後なのか、僕らのような一般投資家が予想を当てるのはめちゃくちゃ難しいです。
一方、上昇していたとして、明日が天井になるのか、それとも3年後まで上昇し続けるのか、
それもまたわからないのです。
最高値で投資をしたとしても、つみたてNISAのような20年間という長期投資をすれば、
高確率でプラスになることは、過去データから明らかになっています。
なので、目先の上げた下げたを気にするのではなく
20年後を見据えて今すぐ投資するのが良いかと思います!
ご回答ありがとうございます!
初心者なので、つみたてnisaしかやる予定がなく、株式100%で積み立てようと思います。
投資金額で悩んでいるのですが、例えば五千円から始めて一年後に銘柄は変えずに投資額のみ1万円に変えたりもしくは更に低くした場合はドルコスト平均法が適用されずに、リスクが高くなる可能性があるという認識でよろしいでしょうか?
それか、銘柄を変えて新しく積み立てたとしても一年後から始めれば非課税期間が19年になってしまうので、最初から積み立てるよりリスクは高くなるのでしょうか?
匿名さん
あまり難しく考えすぎなくてもだいじょうぶですよ。
はじめ5000円で積み立てていたところ途中から1万円にした場合、確かに後半の方が高い金額を積み立てているので、後半に暴落が来ると損失額が大きくなるのは間違いありません。
ですが、そういった将来を正確に予測することは不可能なので、僕らがやるべきなのはその時点で許容できる最大の金額で淡々と積み立てを継続することです。
>それか、銘柄を変えて新しく積み立てたとしても一年後から始めれば非課税期間が19年になってしまうので、最初から積み立てるよりリスクは高くなるのでしょうか?
基本的につみたてNISAはいつからはじめてもその年から20年間、非課税期間がもらえるので開始時期によって特にリスクがあがるということもないです。
積み立てる金額は、生活に無理が出ない範囲におさえて、淡々と続けていくのが最適と思います!
返信ありがとうございます。
それでは、途中から積み立てをやめて別の銘柄に変更してもリスクが上がる訳ではないのでしょうか?
他に質問させていただきたいのですが、楽天証券について書かれたシータ様の別記事を参考に積み立てを開始しようと思ったのですが、楽天カード決済が諸事情があり3/1に間に合いません。
そこで、3/1は口座引落にしようと考えていたのですが、4/1からカード引落に変更するには一度積み立てを解除しなければいけないようです。
1ヶ月だけ3/1に積み立てて、一度解除して4/1から同じ銘柄をカード引落で再度積み立てを始めると、どのような不具合が生じるのでしょうか?
匿名さん
>それでは、途中から積み立てをやめて別の銘柄に変更してもリスクが上がる訳ではないのでしょうか?
「別の銘柄に変更すること=リスクがあがること」になるとは限りません。
どちらかというと、その時点でどの銘柄をどのぐらいの配分で保有しているか、によってその後のリスクは変わってくると思ってもらったほうが良いと思います。
新興国株式が資産の90%を締めていればリスクは高いですし、全世界株式が90%ならリスクはそこそこ、といった感じです。
>1ヶ月だけ3/1に積み立てて、一度解除して4/1から同じ銘柄をカード引落で再度積み立てを始めると、どのような不具合が生じるのでしょうか?
こちらは特に不具合はないと思うので、一度やってみてどうなるかみていくのが良いかと思います!