こんにちは、インデックス投資で1000万円を運用中のシータ(@tsumitate_theta)です。
「つみたてNISAを始めたいけど、元本割れってどのぐらいの確率で起きるんだろう」
「いざ起きたらどうすればいいかわからないから知りたいな」
こんな初心者の方に向けて、つみたてNISAの元本割れの可能性を過去データから徹底検証したのでご紹介します。
- つみたてNISAの元本割れ確率が分かる
- 長期投資が元本割れの確率を下げるために有効なことが分かる
なお、「iDeCo・NISAとの違い」「おすすめの資産配分」「金融機関」「商品」などつみたてNISAの網羅的な攻略情報は「つみたてNISAサイトマップ」にまとめているので、これからつみたてNISAを始めようという方は、ぜひご覧ください。
CHECK! つみたてNISAサイトマップ
また、その他の「始める前に知っておくべき基本」について知りたい方は「積立NISA(つみたてNISA)の基礎知識|始める前に知っておきたい仕組み・基本まとめ」もあわせてご覧ください。
文字を読むのが面倒な方向けに動画でも解説しているので、簡単に内容を理解したい方はぜひ一度ご覧ください。
目次
つみたてNISAで元本割れする可能性はどのぐらい?確率を徹底調査
つみたてNISAで元本割れする可能性を知るために、一定期間投資したときに元本割れになった回数はどのぐらいあったかを、過去データから調査しました。
利用したデータは、全世界株式の市場平均を表す「MSCI ACWI」のトータルリターンです。
調査からわかった元本割れ確率は次のとおりです。
運用期間 | 元本割れ 確率 | 平均 トータル リターン |
---|---|---|
1ヶ月 | 38.44% (143/377) | 0.72% |
3ヶ月 | 33.06% (123/375) | 2.16% |
6ヶ月 | 29.30% (109/372) | 4.32% |
1年 | 24.59% (90/366) | 8.90% |
3年 | 18.42% (63/342) | 27.63% |
5年 | 15.09% (48/318) | 49.12% |
10年 | 1.55% (4/258) | 104.63% |
20年 | 0% (0/138) | 274.60% |
シミュレーションで使っている元本割れ確率の計算方法
シミュレーションで使っているのは「MSCI ACWIのトータルリターンで、1987年12月31日から2019年5月31日までの期間ではこんな推移をしてました。
大きなトレンドとして右肩上がりの成長をしていますが、ところどころ鋭い下落もあります。
使っているのは、次のような月次データです。
元本割れ確率の計算方法は次のとおりです。
- 投資終了月(1ヶ月後)の価格を投資開始月の価格で割り、リターンを算出(これが1件分のデータ)
- 投資開始月を1ヶ月ずつずらして、上記リターンをすべて算出
- 元本割れ件数を全件数で割り、元本割れ確率を算出
上記の元本割れ確率を、3ヶ月後、・・・20年後の分まで同様に計算しています。
1ヶ月後の元本割れ確率は38.44%(143/377)
投資を始めてから1ヶ月の元本割れ確率は38.44%です。377回の投資に対して、143回が元本割れでした。
1ヶ月後は全期間の中で最も元本割れ確率が高いです。
投資開始から1ヶ月後のリターンの分布はこちらです。
大半がリターン0%〜10%のプラス収まってます。次に-10%〜0%のマイナスです。飛び抜けたプラスやマイナスはほとんどありません。
3ヶ月後の元本割れ確率は33.06%(123/375)
投資を始めてから3ヶ月の元本割れ確率は33.06%です。375回の投資に対して、123回が元本割れでした。
3ヶ月後は、1ヶ月後の38.44%より元本割れ確率が下がってます。
投資開始から3ヶ月後のリターンの分布はこちらです。
1ヶ月後の分布と比べると、リターンの上限下限が広がってきてます。(-10%以下や10%以上のリターンが増えている)
6ヶ月後の元本割れ確率は29.30%(109/372)
投資を始めてから3ヶ月の元本割れ確率は29.30%です。372回の投資に対して、109回が元本割れでした。
6ヶ月後は、3ヶ月後の33.06%よりさらに元本割れ確率が下がってます。
投資開始から6ヶ月後のリターンの分布はこちらです。
3ヶ月後の分布と比べると、リターンの上限下限がさらに広がってきてます。
1年後の元本割れ確率は24.59%(90/366)
投資を始めてから1年後の元本割れ確率は24.59%です。366回の投資に対して、90回が元本割れでした。
1年後は、6ヶ月後の29.30%よりさらに元本割れ確率が下がってます。
投資開始から1年後のリターンの分布はこちらです。
6ヶ月後の分布と比べると、リターンの上限下限がさらに広がってきてます。
3年後の元本割れ確率は18.42%
投資を始めてから1年後の元本割れ確率は18.42%です。342回の投資に対して、63回が元本割れでした。
3年後は、1年後の24.59%よりさらに元本割れ確率が下がってます。
投資開始から3年後のリターンの分布はこちらです。
3年後になると、赤字領域はだいぶ減り、黒字の分布がずいぶん大きくなってきました。
5年後の元本割れ確率は15.09%
投資を始めてから1年後の元本割れ確率は15.09%です。318回の投資に対して、48回が元本割れでした。
5年後は、3年後の18.42%よりさらに元本割れ確率が下がってます。
投資開始から5年後のリターンの分布はこちらです。
5年後は、黒字の分布がさらにプラス方向へ拡大してます。
赤字は減ってきていますが、まだ残っていますね。
10年後の元本割れ確率は1.55%
投資を始めてから10年後の元本割れ確率は1.55%です。258回の投資に対して、4回が元本割れでした。
10年後は、5年後の15.09%から圧倒的に元本割れ確率が下がっています。
投資開始から10年後のリターンの分布はこちらです。
10年後は、黒字の分布がさらにプラス方向へ拡大。赤字はリーマンショック時の4件のみです。
20年後の元本割れ確率は0%
投資を始めてから20年後の元本割れ確率は0%です。138回の投資に対して、元本割れは0回でした。
投資開始から20年後のリターンの分布はこちらです。
20年後は、黒字の分布がさらにプラス方向へ拡大し、青一色のグラフ。赤字は一切なくなりました。
元本割れする可能性を抑えるには売らないことが大事【長期投資をしよう】
ここまで見てきたとおり、1ヶ月程度の短期投資では約4割が元本割れになる一方、20年の長期投資では元本割れのケースは0件でした。
補足1:今回のデータはあくまで過去の実績。将来もこの確率通りになるとは限らない
これはつまり、これから20年後の将来に元本割れしている確率が0%であることは保証できないよ、ということです。
もしかしたら0%になっているかもしれないし、これまで起きたことがない未曾有の大恐慌が起きれば20年後にマイナスになる可能性もあります。
とはいえ、世界経済が成長を続ける限りは「全世界株式の長期保有が元本割れの確率を下げる」効果は変わらず期待できます。
補足2:日本のような衰退市場は長期投資しても報われないので注意。全世界か先進国、米国が無難
「よし!長期保有がいいんだ、わかったよ!」と気合が入ったところで「日本株式」のファンドを長期保有してしまうと、今回の結果とは全く違うものになる可能性があります。
日本経済は過去30年に渡りほぼ成長していないので、そのような市場に投資をすると元本割れ確率も上がり、長期保有してもリターンが増えない可能性もあります。
いまのところ、世界人口は2100年までは増加し続けると言われているので、「全世界株式」に投資しておくのが無難です。
また、近年の経済は米国がリードしているため、「先進国株式」や「米国株式」も良いと思います。
まとめ:つみたてNISAはポイント還元がお得な楽天証券で始めよう
1987年12月からの全世界株式データによると、投資を始めて1ヶ月後に元本割れする確率は約4割、20年後に元本割れする確率は0%でした。
投資を始めたての頃ほど元本割れになる可能性は高いですが、これは罠です。「焦って売却」だけは避けてください。
亀になった気持ちでじっと我慢、値動きを見ずに機械的に積立投資を継続すれば、自然とお金は増えていきます。
どっしりと構えて長期投資をしましょう。
なお、つみたてNISAを始めるなら「楽天カード払いで積立をすると1%ポイント還元」がある楽天証券が、他社と比べて相対的にお得です。
1%コストを安くできると、長期の資産運用で有利に働きます。少しでもリターンを増やしたいので、僕もSBI証券から楽天証券のつみたてNISAへ移管をしました。
口座開設は少し面倒に感じるかもしれませんが、ノーリスクでリターンが増やせるので単純にやらないともったいないです。
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楽天証券と他証券会社の比較は、こちらの記事をご覧ください。