こんにちは、2019年分の確定申告で特定口座の損失繰越をしたシータ(@tsumitate_theta)です。
「積立NISAは確定申告しないといけないの?」と不安になっている方は安心してください!つみたてNISAで確定申告は不要です。
ただ、つみたてNISAを使うことで逆に税制上不利になる部分もあります。
この記事では、特定口座とつみたてNISAの違いと税制上不利な側面をご紹介し、つみたてNISAを活用するために大切なことをお伝えします。
- 株・投資信託でかかる税金の種類が分かる
- つみたてNISAの方が特定口座より不利な部分が分かる
なお、「iDeCo・NISAとの違い」「おすすめの資産配分」「金融機関」「商品」などつみたてNISAの網羅的な攻略情報は「つみたてNISAサイトマップ」にまとめているので、これからつみたてNISAを始めようという方は、ぜひご覧ください。
CHECK! つみたてNISAサイトマップ
また、その他の「始める前に知っておくべき基本」について知りたい方は「積立NISA(つみたてNISA)の基礎知識|始める前に知っておきたい仕組み・基本まとめ」もあわせてご覧ください。
積立NISAで確定申告・年末調整は必要?【不要です】
通常の証券口座(特定口座「源泉徴収あり」)であれば、投資信託の分配金を受け取るとき、売却益を受け取るときに、20.315%の税金が源泉徴収されます。
ですが、つみたてNISAでは投資信託・ETFで得られる利益(分配金・売却益)に税金が一切かかりません。
株・投資信託の税金をおさらい
株・投資信託でかかる税金は次のものがあります。
- 分配金・配当をもらうときにかかる税金
- 売却して利益が出たときにかかる税金
- 海外株・海外投資信託の現地国へ払う税金
特定口座とつみたてNISAの違いを比較
「つみたてNISAは利益に税金がかからないので特定口座よりも常にお得」と思いきや、場合によっては「特定口座の方がお得」なことがあります。
特定口座とつみたてNISAのお得度に違いが出るポイントをまとめたものがこちらです。
項目 | 特定口座 | つみたて NISA口座 |
---|---|---|
配当・分配金 | 課税 | 非課税 |
売却益 | 課税 | 非課税 |
損益通算 | できる | できない |
損失繰越 | できる | できない |
外国税額控除 | できる | できない |
端的に言えと、次のようになります。
- 利益が出たときはつみたてNISAの方がお得
- 損失が出たときは特定口座がお得
積立NISAは損益通算が使えない
つみたてNISA口座では利益に税金がかからないという絶大なメリットがある代わりに、損失を出したときの救済が一切ありません。
特定口座の場合は、損益通算という救済があります。
- 複数の特定口座・一般口座を持っている
- 1つの口座で損失が出た
- 他の口座の利益を損失で相殺できる
- 結果として利益が減り、支払う税金が減る
僕も2018年分の確定申告で損益通算を利用しました。僕の場合はこんな感じです。
- SBI証券の特定口座で42000円の損失が出た
- 持株会の配当で43000円の利益があった
- 損益通算して利益が1000円になった
- 支払う税金が8000円分減った
これで約8000円還付(数字は仮のものです)が受けれるので嬉しかったのですが、つみたてNISAではこのような「他の口座の利益を損失で相殺する」ことは不可能です。損をすると丸損になります。
積立NISAは繰越控除が使えない
特定口座では損失を出すと、その損失を最大3年間繰り越して利益と相殺することができます。
なので、特定口座で損失を出してしまったら必ず確定申告をしておくべきです。そうすると翌年以降に利益を出たとしても、全ての赤字分を消化し純粋な黒字になるまで税金をゼロにできます。
つみたてNISAでは、この損失の繰越控除は使えません。損を出したら丸損になります。
積立NISAは外国税額控除も使えない
海外株へ投資する投資信託・ETFの分配金は、基本的に海外現地国で課税されます。
その際の税率は二国間(日本と相手国)での「租税条約」で決められるため、国ごとに異なります。(日本人が米国株の配当をもらうときは10%アメリカに課税される)
たとえば、米国ETFを買っている場合は、こんな形になります。
- 真の分配金 – 米国源泉徴収(10%)= 日本に届く分配金(真の配当金の90%)
- 日本に届く分配金 – 国内源泉徴収(20%)= 僕らが受け取る配当金(真の分配金の72%)
最終的に僕らが受け取る分配金は、税引き前の真の分配金の72%に減額されているということなんです。
二重課税の具体例を特定口座年間取引報告書からみてみる
ウェルスナビから先日送られてきた「特定口座年間取引報告書」で具体的にみてみます。
- 税金を引かれる前の配当:662円
- アメリカに払った税金:63円
- 日本に払った所得税:86円
- 日本に払った住民税:25円
アメリカへ払った税金が綺麗に10%となっていないのは、個別銘柄ごとに端数切り捨てて計算されているためです。
1銘柄ごとの明細はこちらです。
1つずつ計算してみると、確かにアメリカに10%支払った後に、日本へ20%支払い、手元に残るのは72%となっていることが分かると思います。
特定口座なら外国税額控除を使って、二重課税を解消できる
特定口座であれば、確定申告をすることで「外国に支払った税金」を「日本に払った税金」から還付してもらえます。
ところが、つみたてNISAの場合、「日本に払った税金」は非課税なのでゼロ円です。
つまり、二重課税になっていないため、「外国税額控除」の適用を受けることはできません。
参考:米国株式の配当金は、外国税額控除の適用を受けられますか?
つみたてNISAでは、ETFに限らず海外株に投資する全ての投資信託で外国税額控除は受けられないので、その点は頭に入れておきましょう。
まとめ:つみたてNISAはポイントがお得な楽天証券で始めよう
つみたてNISAは、損失を出すと特定口座より損になります。
つみたてNISAの税制優遇を効果的に活用する唯一の方法は「長期・積立・分散」の王道の資産運用をすることです。
つみたてNISAが許す20年間、コツコツとつみたて、世界中に国際分散投資を行えば、この記事で紹介した「つみたてNISAの欠点」に遭遇する可能性は限りなく小さくなります。
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1%コストを安くできると、長期の資産運用で有利に働きます。少しでもリターンを増やしたいので、僕もSBI証券から楽天証券のつみたてNISAへ移管をしました。
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楽天証券と他証券会社の比較は、こちらの記事をご覧ください。