こんにちは、「投資に臆病な日本人の資産を増やす」をコンセプトにブログを書いているシータ(@reuse_theta)です。
2018年11月15日に発売された、ウェルスナビCEO柴山さんの本「元財務官僚が5つの失敗をしてたどり着いたこれからの投資の思考法」を読んだら共感しかなかったのでご紹介します。
なお、「ウェルスナビ」を通じた長期の資産形成にとって重要なことを「ウェルスナビを完全攻略!資産運用初心者向けに考え方・運用法まとめ」に網羅的にまとめているのでぜひご覧ください。
目次
ウェルスナビCEO柴山さんはどんな人なのか
- 東京大学法学部卒
- ハーバード・ロースクール、INSEAD卒業
- ニューヨーク州弁護士
- 日本の財務省勤務。
- イギリスの財務省にも勤務。
- マッキンゼー時代は、ウォール街に本拠を置く機関投資家による10兆円規模の資産運用を1年半サポート。
- 2015年4月、ウェルスナビを創業
参考:経営メンバー
柴山さんは本の中でも、次のように自己紹介をしています。
私は大学を卒業してから一貫して、お金に関わる仕事をしてきました。
財務省では金融や財政政策に関わり、マッキンゼーでは日米の金融機関をサポートしてきました。
ウォール街の機関投資家というのは資産運用のプロなわけですが、そのプロの運用をマッキンゼーでサポートしていたというのだから驚きですよね。
人からの伝聞などではなく、実際に「世界の富裕層が実践する資産運用をサポートしてきた」という経験を持っているがすごいです。
僕が特に興味を惹かれたのは、海外での資産運用事情に詳しいというところです。
日本人による国内に関する資産運用本は世にあふれていますが、リアルな海外の資産運用に詳しい本はあまり読んだことがなかったので興味津々で読み込んでみました。
「元財務官僚が5つの失敗をしてたどり着いたこれからの投資の思考法」の概要
- 5つの失敗から学んだ投資の鉄則
- 時間と世界を味方につける資産運用とは?
- 日本の資産運用はガラパゴス化している
- 日本人が知らなかった”正しい”資産運用
- 人間の脳は資産運用に向いていない
- テクノロジーが実現する豊かな未来
- お金から自由になったら何をしたいか
全体的にわかりやすい言葉で丁寧に説明されているので、初心者の方にとっても読みやすいと思います。
王道の資産運用方法などもわかりやすく書かれているので、ぜひ初心者の方にも読んで欲しいです。
ここでは特に僕がなるほどなぁと思ったところについて紹介していきたいと思います。
なるほどなぁと思ったところ
アメリカでは金融リテラシーがなくても、資産運用で成功できる土台がある
柴山さんの奥さん(アメリカ人)の両親と、柴山さん自身の両親は、同じような年齢、学歴、職歴であるにも関わらず資産運用のやり方で金融資産に10倍以上の開きが出たと言います。
「アメリカは資産運用先進国だから、奥さんの両親はしっかりした投資の知識を持って運用できてたんだろうな」と思っていたのですが、そうではありませんでした。
アメリカ人の妻の両親が、金融について詳しいわけではありません。子どものクリスマス・ギフト(日本のお年玉のようなもの)の運用はアドバイザーに頼まず自分たちで行っていましたが、投資信託の選択がうまくいかず、20年間運用してリターンはほとんどありませんでした。
大きな資産を築くことができたのは、金融リテラシーが高かったからではなく、富裕層向けの資産運用サービスをたまたま利用できていたからです。
奥さんの両親は、会社の福利厚生で「通常なら資産1億円以上でなければ利用できないプライベートバンク」やフィナンシャルアドバイザーといった金融のプロに資産運用を任せていたそうです。
日本の柴山さんの両親は、バブルが崩壊してからは株式投資をやめ、預金と保険だけの運用にとどめていたそうです。
その結果、日本の両親は数千万、アメリカの両親は数億円の資産になり、10倍以上の差が生まれたと。
リーマンショックの暴落時、プライベートバンカーが狼狽売りを止めてくれた
リーマンショックのときは多くの投資家がパニックになり、株を売ってリスクの低い債権や金、現金に資産を交換したそうです。
アメリカの両親もさすがに株価が3割も下落し、悲観論に満ちたメディアに日々接していると、資産運用をやめたほうがいいのではと思うようになったそうです。
待ったをかけたのが、彼らが信頼し資産運用を長年任せてきたプライベート・バンカーでした。妻の両親は、次のような助言をもらったそうです。
- 過去の金融危機でも株価は大きく下落したが、やがて回復している
- 今回も一時的な下落であるなら、損失も一時的なものに留まる
- 株価が大きく下がっている今売ると、一時的であるはずの損失が確定してしまう
- 手元のお金に余裕があれば、割安で追加投資をする大きなチャンス
妻の両親は、さすがに追加投資をする勇気はなかったものの、プライベート・バンカーを信じ、資産運用をやめないことにしました。
すると株価はますます下落し、やがて資産の評価額は下がり、ますます不安が募ります。
腹をくくって様子を見ていると、ご存じの通り株価は上向き、2年後にはリーマン・ショック前の水準に戻りました。
リーマン・ショックから9年経つと株価は元の水準の2倍以上になりました。
結果的に暴落時は何もしないことが正解になるので、狼狽売りして負け組にならないように気をつけたいですね。
日本もそうなって欲しいね
資産運用をプロに委ねる富裕層は、自分が資産運用のプロではないことを分かっている
資産運用をするには、膨大な手間や時間がかかります。私はマッキンゼー時代、妻の両親の資産配分を見せてもらったときに、「ネット証券を使えば、コストを今よりかなり抑えて同じ資産運用ができる」と説明しました。
数億円の資産に対し、年間0・75%の手数料を払っていたので、自分で資産運用をすれば、年に数百万円の手数料を節約できることになります。
誰でも買えるETF(上場投資信託)が中心のシンプルな資産配分だったので、私の言ったことは決して誇張ではありませんでした。
多分、日本の投資家がこの話を聞くと
「もったいない、年間に0.75%も手数料を払うなんて馬鹿げてる」
「勉強すればきっと理解できるから学習しようよ」
と言うんじゃないかと思います。
本では次のように続きます。
ただ、実際に投資信託を自分で買いつけ、バランスを見ながら追加投資し、長期にわたって管理していくというのは現実的ではありません。
投資が趣味というわけでもない限り、 富裕層は資産運用をプロに任せてしまいます。
仕事にあてたり家族と過ごすなど、もっと大切なことに自分の時間を使うべきだと考えるからです。
妻の両親も、ネット証券を使ってみずから資産運用をするのではなく、それまで通り、年間0・75%の手数料を払って、プロに頼むという道を選びました。
基本的に得意じゃない分野に労力をかけるのは割に合わないことが多いんですよね。
計算が苦手なのに、自分で税金計算しようとするのは無謀でしょう。税理士さんに依頼する方がミスするリスクも減り、自分の時間も作れるので良いです。
もちろん、勉強して自分で帳簿付けができれば税理士費用を節約できますが、そのために必要な時間とお金のバランスが悪いよね、という話なんです。
資産運用でも全く同じことが言えて、苦手意識があり無理そうならプロに運用をお願いした方がミスも減り、自分の時間も作れます。
僕が思うこと。日本も「金融リテラシーが低い人でも資産運用で成功できる社会」になって欲しい
「プロフィール」でも書いていることなのですが、日本は投資の環境がアメリカなどと比べて良くないです。
日本も金融リテラシーが低い人でも資産運用で成功できる社会になって欲しいと思ってます。
でもそのためには「回転売買で手数料を稼ごうとする銀行」だけではなく、「良かれと思ってアドバイスしている投資家」による弊害もあると感じています。
日本で資産運用に成功しているのは、自分で学習して知識を付けた人が多いから、「投資は自己責任、高い手数料払うのは情弱」みたいな声が多い
日本で資産運用に成功しているのは、金融リテラシーが高い人がほとんどな印象です。
そんな優秀な人達だから「投資は自己責任」「高い手数料払うのは情弱」という声が多い。
こんな意見を聞くと、初心者の方は次の2つのどちらかになってしまうと思います。
- 萎縮して「預金、保険での運用にとどまる」
- たまにいる自信のある人が「知識を得て長期投資で成功する」
日本だと「投資知識を持たずに成功する」というルートがないんですよね。
金融リテラシーがなくても資産を増やせるアメリカのような社会の方が断然優れています。
日本の投資上級者の意見は初心者にとっても正しいとは限らない。惑わされすぎないように注意
でも、これまでの日本を前提にしていることが多いから全てを鵜呑みにする必要はないよ
これは資産運用でも同じです。資産運用で成功しているからといって、初心者を導くことができる人とは限りません。
人は自分の経験にもとづいて教訓を得るからね!
アメリカの資産運用成功者からは「資産運用はフィナンシャルアドバイザーに任せておけばいいよ」というアドバイスが出るかもしれませんが、日本の成功者の口からは出ません。
なんなら「アメリカではフィナンシャルアドバイザーやプライベートバンクが資産運用で利用されている」ことを知らない投資上級者の方もいるでしょう。
日本の投資の先輩は、日本を主戦場とした自分の経験に基づきアドバイスをするので、アメリカのように「金融リテラシーがない人でも成功する方法」を教えてくれるわけがないのです。当たり前ですが。
だから、資産運用初心者の方が、日本の投資家先輩の言うことを全て聞く必要はないなと思います。
資産運用初心者は、手数料1%を気にするよりも、資産運用をスタートさせ年利0.10%を年利6%に上げる方がはるかに重要で効果的
投資の上級者の方の中には「ウェルスナビの手数料1%は高い!ありえないぞ!」とお怒りの方もいるかもしれませんが、僕は資産運用初心者の方は気にする必要はないと思ってます。
資産運用初心者の方は、手数料1%を気にするよりもまずは年利6%を手に入れるべきだからです。
ウェルスナビの過去25年間の1年あたりリターンは円建てで6%です(手数料1%を差し引いた後の数字)。
公式ページで公開されてるよ
ウェルスナビに頼らず自力でうまくやれる人は、手数料1%を払わずに済むので年利7%で運用ができたでしょう。
投資上級者の方は、この年利7%を実現できている人たちです。年利7%から見れば自分でできることに対して手数料1%を払うのはもったいないと感じるのは当たり前のことですね。
- 資産運用初心者:定期預金で年利0.10%
- ウェルスナビ:世界水準の金融アルゴリズムで年利6%(手数料1%控除後)
- 資産運用上級者:国際分散投資で年利7%
ですが資産運用初心者の方は、まず定期預金の年利0.10%から卒業しなければなりません。
資産に与える影響は後の1%よりも、定期預金からウェルスナビへの差分5.9%の方がはるかに大きく、効果的です。
まとめ:ウェルスナビは金融リテラシーが低い人でも資産運用を成功に導く救世主
僕にとって「元財務官僚が5つの失敗をしてたどり着いたこれからの投資の思考法」は、資産運用の方法だけでなく、海外での資産運用話が聞けたことが大きな収穫でした。
この本を読んで「海外では金融リテラシーなしで資産運用に成功できる環境がある」ことを羨ましく思う一方で、ウェルスナビは「投資に怖い日本人が豊かになる救世主」だなと改めて確信しました。
「手数料1%は高いらしいから自分で理解できるまでやめておこう」という考えは機会損失が大きいです。ウェルスナビなら年利6%が期待できるのに、定期預金の0.10%に留めておくのはもったいない。
そんな方におすすめなのは、ウェルスナビを始めてとりあえず年利6%を確保しつつ、並行して学習を進め、いずれウェルスナビを卒業することです。
理解が無理そうならウェルスナビを続ければ良いですし(それでも年利6%)、理解が進めば晴れて卒業で年利7%が狙えます。
ウェルスナビの長期の資産運用に必要な心構えを紹介します。
- どんなに激しい暴落が来ても途中でやめない
少なくとも定年までは毎月積立続ける。生涯売らないぐらいがいい - 値動きを見ない、気にしない
余計なことをしたくなるから見ない。スキルアップ・副業など本来やるべきものに時間を使おう
これさえ守れれば誰でも資産運用で成功できるので、ぜひトライしてみてください。
動き出した人から人生が少しずつ変わりますよ。