こんにちは、シータ(@tsumitate_theta)です。
【2018年10月16日追記】
後半に先日発表された「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」の情報を追記しました。初心者の方はこれ1本で十分になりそうです。
2019年7月1日に最新のeMAXIS Slimシリーズ運用報告書が公開されました。
運用報告書からは投資信託の真の費用である実質コストが分かります。
この記事では、eMAXIS Slimの衝撃的な実質コストの安さをじっくりと見ていきます。
目次
- 1 早速eMAXIS Slimシリーズの実質コストを見て悶絶せよ
- 2 eMAXIS Slim先進国株式の実質コストの求め方【2019年版】
- 3 eMAXIS Slimとは
- 4 eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)
- 5 eMAXIS Slim国内株式(日経平均)
- 6 eMAXIS Slim先進国株式
- 7 eMAXIS Slim新興国株式
- 8 eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)
- 9 eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
- 10 eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)
- 11 eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)
- 12 ついにきた!【2018年10月31日新規設定】eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
- 13 まとめ:eMAXIS Slimはネット証券で買おう
早速eMAXIS Slimシリーズの実質コストを見て悶絶せよ
今回、運用報告書が公開されたもののうち、株式に投資するファンドの実質コストをリストアップします。
【2020年6月2日更新】
ファンド名 | 信託報酬(税込) | 隠れコスト | 実質コスト |
---|---|---|---|
eMAXIS Slim 国内株式 (TOPIX) | 0.154% | 0.005% | 0.1590% |
eMAXIS Slim 国内株式 (日経平均) | 0.154% | 0.008% | 0.1620% |
eMAXIS Slim 先進国株式 | 0.1023% | 0.076% | 0.1783% |
eMAXIS Slim 新興国株式 | 0.2079% | 0.177% | 0.3849% |
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) | 0.154% | 0.066% | 0.22% |
eMAXIS Slim 全世界株式 (日本除く) | 0.1144% | 0.09238% | 0.20678% |
eMAXIS Slim バランス (3地域均等型) | 0.1144% | 0.08749% | 0.20189% |
eMAXIS Slim 全世界株式 (オール・カントリー) | 0.1144% | 0.09692% | 0.21132% |
eMAXIS Slim 米国株式 (S&P500) | 0.0968% | 0.07988% | 0.17668% |
eMAXIS Slimのコンセプト「業界最低水準の運用コストをめざす」は伊達じゃないです。
2018年から引き続き、2019年もすべての資産クラスで業界最低水準の実質コストになってます。
純資産総額も順調に伸び続けています。強烈なライバルが現れるまでeMAXIS Slimを買い続けるだけで良いでしょう。
投資家にとっては嬉しい限りです。
これは本当にお安いの?ぽっぽっぽ
eMAXIS Slim先進国株式の実質コストの求め方【2019年版】
実質コストは運用報告書の費用明細から求めています。
費用明細から以下の数字を求めます。
- 実質コスト:0.193%
- 信託報酬:0.117%
- 隠れコスト:
0.193% – 0.117% = 0.076%
また、eMAXIS SLim先進国株式の信託報酬は、2019年6月25日から0.107892%へ値下げされています。
上記の隠れコストを最新の信託報酬に足すと、真の実質コストがわかります。
信託報酬が0.107892%に改定された後の実質コストは、以下の式から0.183892%となります。
0.107892% + 0.076% = 0.183892%
注意が必要なのが集計期間です。2019年の報告書では集計期間=2018年4月26日〜2019年4月25日となっており、365日=丸1年なので問題ありませんが、日数が365日より少なかったり多かったりする場合は費用を1年分に変換する必要があります。
集計期間が365日より多いケース:2018年の運用報告書で見てみる
費用内訳はつぎのとおりです。
- 実質コスト:0.276%
- 信託報酬:0.184%
- 隠れコスト:
0.276% – 0.184% = 0.092%
2018年版の運用報告書では、2017年2月27日から2018年4月25日までの期間だと書かれています。
これは日数に直すと422日分なので、1年分よりも費用が多く計上されています。他銘柄との比較に不便なので、1年分の隠れコストに割り戻します。
1年分の費用は、422日で割って1日あたりの費用を求め、365日をかければ良いです。
0.092% ÷ 422日 x 365日 = 0.07957%(1年分の隠れコスト)
eMAXIS Slim先進国株式は、2018/7/25から信託報酬0.1177%に改定されています。
信託報酬が0.1177%に改定された後の実質コストは以下の式から0.19727%となります。
0.1177% + 0.07957% = 0.19727%
eMAXIS Slimとは
eMAXISブランドから生まれたローコストインデックスファンドシリーズで、「業界最低水準の運用コストを将来に渡って目指し続ける」をコンセプトとしています。
名ばかりのコンセプトではなく、他社が信託報酬の値下げをすると、本当に間髪入れず信託報酬の値下げを実施しています。
2017年、2018年、2019年で既に11回もの信託報酬値下げを行なっています。
ここまでガシガシ値下げをしてくれると安心感がハンパないです。
母体はeMAXISで純資産総額が4000億円を超えているので安心です。(2019年7月2日時点)
既存のeMAXISとeMAXIS Slimが並存しているのは面白いです。eMAXISはこれまで通り高い信託報酬を維持しつつ、eMAXIS Slimでは業界最低水準を目指しています。
信託報酬を理解できていない投資家や乗り換えによる税金払いを嫌う投資家がいるため、成立しているのだと思います。
eMAXIS Slimのライバル「ニッセイ<購入・換金手数料なし>シリーズ」の信託報酬値下げ実績
eMAXIS Slimが業界最低水準の運用コストを争う相手は、ニッセイの<購入・換金手数料なし>シリーズです。
ニッセイは2018年6月29日に以下の6つのファンドの信託報酬引き下げを発表しています。
- <購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド
- <購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(6資産均等型)
- <購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド
- <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
- <購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)
- <購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(8資産均等型)
さらに2019年5月23日に以下の6ファンドの信託報酬値下げを発表しています。
- <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
- <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンド
- <購入・換金手数料なし>ニッセイ国内債券インデックスファンド
- <購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド
- <購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)
- <購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)
国内株式(TOPIX)では、以前からニッセイと信託報酬の最安値争いは始まっていました。
2020年6月時点の両者の実質コストはこちらです。
ファンド名 | 信託報酬 (税込) | 実質コスト | 純資産総額 |
---|---|---|---|
eMaxis Slim TOPIX | 0.154% | 0.15620% | 87.68億円 |
ニッセイ TOPIX | 0.154% | 0.16000% | 231.81億円 |
2018年、2019年に引き続き、eMAXIS Slimの実質コストは、ニッセイの実質コストを下回りました。
純資産総額は運用年月が長いニッセイに分がありますが、コスト面で最安は維持しています。
eMAXIS Slim国内株式(日経平均)
国内株式(日経平均)は、2019年6月の値下げでニッセイとeMAXIS Slimの信託報酬は最安値で横並びになっています。
ファンド名 | 信託報酬 (税込) | 実質コスト | 純資産総額 |
---|---|---|---|
eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) | 0.154% | 0.162% | 52.95億円 |
ニッセイ 日経平均 | 0.154% | 0.164% | 107.51億円 |
TOPIXと同じく、実質コストはeMAXIS Slim、純資産総額はニッセイ、という形になっています。
この傾向は2018年から継続しています。
eMAXIS Slim先進国株式
先進国株式は人気の資産クラスなので、最もデットヒートしています。
こちらも値下げに次ぐ値下げでニッセイとeMAXIS Slimの信託報酬は最安値で横並びになっています。
ファンド名 | 信託報酬 (税込) | 実質コスト | 純資産総額 |
---|---|---|---|
eMAXIS Slim 先進国株式 | 0.1023% | 0.1783% | 988.89億円 |
ニッセイ 外国株式 | 0.1023% | 0.1893% | 1673.05億円 |
「先進国株式」も表面信託報酬は引き分け、実質コストはeMAXIS Slim、純資産総額はニッセイという結果です。
2018年から2年連続emaxis slimの勝利です。
eMAXIS Slim新興国株式
新興国株式は、これから10年、20年で最も成長が期待されるアセットクラスですが、これまでは信託報酬が高めの資産クラスでもありました。
新興国株式もニッセイ vs eMAXIS Slimのバトルにより、信託報酬が劇的に下がってきています。
ファンド名 | 信託報酬 (税込) | 実質コスト | 純資産総額 |
---|---|---|---|
eMAXIS Slim 新興国株式 | 0.2079% | 0.3849% | 262.99億円 |
ニッセイ 新興国株式 | 0.2079% | 1.60466% | 15.41億円 |
新興国株式は、eMAXIS Slimが表面信託報酬、実質コスト、純資産総額すべてにおいて完封勝利です。
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)
8つの資産クラスを均等に配分する8資産均等型バランスクラスでも両者は戦っています。
ファンド名 | 信託報酬 (税込) | 実質コスト | 純資産総額 |
---|---|---|---|
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) | 0.154% | 0.22% | 516.09億円 |
ニッセイ バランス(8資産均等型) | 0.1749% | 0.34246% | 2.66億円 |
8資産均等型もeMAXIS Slimの完封勝利です。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は、みんな大好き米国株へ投資できるemaxis slimです。
ライバルには米国比較ということで楽天・全米株式(楽天VTI)をあげています。
ファンド名 | 信託報酬 (税込) | 実質コスト | 純資産総額 |
---|---|---|---|
eMAXIS Slim 米国株式 (S&P500) | 0.0968% | 0.17668% | 1018.96億円 |
楽天 全米株式 (楽天VTI) | 0.162% | 0.2652% | 1018.73億円 |
2019年最新版で、eMAXIS Slim米国株式の実質コストが判明しています。
S&P500でも、見事実質コストの最安王者のポジションを獲得しています。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の評価は?コストを抑えて米国投資をしたい人に必須のファンド」で徹底解説しているので、詳しくしりたい方はぜひご覧ください。
eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)
eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)は、「先進国株式」「新興国株式」「国内株式」を3地域均等に組み合わせた投資信託です。
ファンド名 | 信託報酬 (税込) | 実質コスト | 純資産総額 |
---|---|---|---|
eMAXIS Slim 全世界株式 (3地域均等型) | 0.1144% | 0.20189% | 16.92億円 |
ちょっと特殊な構成なので、安いライバルが見つかりませんでした。
あまり特別に推薦する構成ではないものの、費用は他商品と同様に他社よりも安い水準にはあると思います。
eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)
全世界株式(除く日本)は、「先進国株式」と「新興国株式」を組み合わせた構成になってます。
組み入れ国に「ケイマン諸島」という聞きなれない国がありますが、実態は「テンセント」「アリババ」「バイドゥ」などの中国企業です。
「ケイマン諸島」はタックスヘイブンと呼ばれる税金が安い国のため、法人の本店所在地に使われたりします。
ファンド名 | 信託報酬 (税込) | 実質コスト | 純資産総額 |
---|---|---|---|
eMAXIS Slim 全世界株式 (除く日本) | 0.1144% | 0.20678% | 188.81億円 |
野村 つみたて 外国株投信 | 0.209% | 0.24911% | 152.33億円 |
2019年最新版で「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」の実質コストが0.20678%と判明しました。
このクラスのライバルは「野村つみたて外国株投信」ですが、わずかにeMAXIS Slimが勝利してます。
ついにきた!【2018年10月31日新規設定】eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
2018年10月15日、三菱UFJ国際投信が「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」を新規設定するプレスリリースを出しました。
参考:『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』の設定について
楽天全世界株式との比較は以下です。
ファンド名 | 信託報酬 (税込) | 実質コスト | 純資産総額 |
---|---|---|---|
eMAXIS Slim 全世界株式 (オール・カントリー) | 0.1144% | 0.21132% | 287.89億円 |
楽天 全世界株式 (楽天VT) | 0.212% | 0.3912% | 389.63億円 |
オールカントリーの実質コストは0.21132%で、楽天より低コストになっています。
初心者はこれ1本を積み立て続ければ間違いないよ!
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の詳細は「ついにeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)が登場!初心者はこれ1本を買えばいい」で解説しているので、初心者の方はぜひご覧ください。
まとめ:eMAXIS Slimはネット証券で買おう
すべての資産クラスでeMAXIS Slimが実質コストで最安となりました。
当面はeMAXIS Slimの中だけでファンドを選んでおけばいいのではないか、というレベルです。
せっかく「何を買うか」は最安のeMAXIS Slimに決めたのに、「どこで買うか」で失敗してはもったいないです。
購入する証券会社は手数料が安いネット証券で買うようにしてください。
つみたてNISAなら楽天証券、iDeCoならSBI証券かマネックス証券が最適です。
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