こんにちは、シータ(@tsumitate_theta)です。
この説明だけでピンと来る人は少ないと思います。
この記事では、投資信託のリスクとリターンを初めて知る人向けに、具体例を交えながらリスクとリターンの意味、使い方、計算方法を徹底解説します。
- リスクとリターンの意味が分かる
- 投資信託のリスクとリターンを見て、今後の値動きがイメージできるようになる
- 過去の値動きからリスクとリターンを自分で計算できるようになる
それでは早速見ていきましょう!
目次
リスクとリターンとは
リスクとリターンは、それぞれ「バラツキ」と「平均値(期待値)」のことです。
- リターン:過去の実績から計算した儲けの平均値(期待値)
- リスク:過去の実績から計算した儲けのバラツキ
リターンとは儲けの平均値(期待値)のこと
過去の推移では、平均するとこのぐらい儲かったよ、っていうのを表す数字だね
例えば、投資をして100万円のお金が1年後に120万円になったとします。この場合はリターン=20%です。
逆に、100万円が1年で80万円に減ってしまった場合、リターンは-20%になります。
でもこの2つなら最初の安定して増える方がいいよね。
リスクとは儲けのバラツキのこと
リスクは一般的には「危険度」のような意味合いで使われますが、投資の世界ではバラツキ、あるいは振れ幅の意味で使われます。
「リスクが大きい」という言葉の意味は危険度が大きい、という意味ではありません。
毎年バラツキがなく、安定して同じ結果が見込める場合はリスクは0%になるんだ
リスクとリターンの考え方
引用元:投資信託のリスクは標準偏差でわかる! [投資信託] All About
リスク(標準偏差)は「20%」だよ。
統計の世界では、期待値を中心にプラスマイナス1標準偏差の範囲に収まる確率は68.3%になることが知られています。
これは、リターン7%、リスク20%の投資信託の場合、「1年後のリターンが-13%〜27%の範囲に収まる確率は68.3%」っていうことなんだよ
リターン7%、リスク20%の投資信託の予測の仕方は次のようになります。
- リターンにリスクの数字を足す:7%+20%=27%
- リターンからリスクの数字を引く:7%-20%=-13%
- 1年後のリターンの範囲:-13%〜27%
大体この範囲に収まる(68%の確率でこの範囲に収まる)
大体は↑の範囲で収まりますが、極端に転ぶと次の範囲ぐらいまでバラつくことがあります。
- リターンにリスクx2の数字を足す:7%+40%=47%
- リターンからリスクx2の数字を引く:7%-40%=-33%
- 1年後のリターンの範囲:-33%〜47%
極端に転ぶとこうなる(95%の確率でこの範囲に収まる)
代表的な投資信託のリスクとリターンを見てみる
楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)
初心者の希望の星、これ1本で全世界に丸ごと投資ができる、我らが「楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)」のリスクとリターンを見てみます。
楽天VTは「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」のインデックスに追従する投資信託なので、「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」のリスクとリターンをみてみましょう。
参考:『FTSE 全世界指数 (All-World) (円)』 |株価指数
- リターン:7.6%
- リスク:20.2%
ちょうど先ほど見てきた例と同じぐらいのリスク・リターンです。
なので「うまくいけば+27%、悪く転べば-13%の結果になるんだな」と言うことが事前にわかります。
「さらに相場が荒れた場合、47%の価値になることも、-33%の負けになることもありうる」と言うところまで想像することができます。
eMAXIS Slim先進国株式インデックス
次に、業界最安水準の手数料を目指す「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」をみてみましょう。
「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」が追従するインデックスは「MSCI コクサイ・インデックス」です。
参考:『MSCI コクサイ・インデックス (KOKUSAI) (円)』 |株価指数
- リターン:8.3%
- リスク:20.4%
改めて予測値を計算してみます。
- リターンにリスクの数字を足す:8.3%+20.4%=28.7%
- リターンからリスクの数字を引く:8.3%-20.4%=-12.1%
- 1年後のリターンの範囲:-12.1%〜28.7%
大体この範囲に収まる(68%の確率でこの範囲に収まる)
「うまくいけば+28.7%、悪く転べば-12.1%の結果になるんだな」とわかりますね。
- リターンにリスクx2の数字を足す:8.3%+40.8%=49.1%
- リターンからリスクx2の数字を引く:8.3%-40.8%=-32.5%
- 1年後のリターンの範囲:-32.5%〜49.1%
極端に転ぶとこうなる(95%の確率でこの範囲に収まる)
「相場が荒れた場合、49%の価値になることも、-32.5%の負けになることもありうる」と言うところまで想像することができますね。
リスクとリターンの計算方法
最後にマニアックではありますが、データから自分でリスクとリターンを求めたいんだ!という人向けにスプレッドシートで簡単にリスクとリターンを求める方法をご紹介します。
リターンの計算方法
リターンを求めるには価格推移のデータが必要です。以下のようなデータを用意しましょう。
リターンを求める数式はこちらです。
=POWER(最終価格/初期価格,1/年数)-1
スプレッドシートでは、次のように数式を入れます。
初期を100、10年後を最終価格として先ほどの数式に代入すると
=POWER(197/100,1/10)-1
となり、リターンは7%と求まります。
リスクの計算方法
リスクの計算には、毎年のリターンの値が必要です。
次のようなデータを揃えましょう。
リスクを計算する数式は以下になります。
=STDEVP(1年後のリターン:最終年のリターン)
これでリスクは19.78%と計算できます。
こういうのが好きなマニアックな趣味の人は、新興国のリスク・リターンを出して見たり、仮想通貨のリスクやリターンを計算してみると勉強になって面白いかもしれません。
まとめ
リスク・リターンの意味と考え方、計算方法をご紹介しました。
長期投資をする上で役に立つ考え方なので、この機会にぜひ理解を深めて見てください。
将来どんな推移をするのか、イメージができるとこんなはずじゃなかったのに!ということも減ると思います。
投資信託の検討に使えるので、ぜひお役立てください!