こんにちは、確定拠出年金で100万円運用しているシータ(@tsumitate_theta)です。
会社退職後はいろいろ手続きがある人も多いと思うので、確定拠出年金の手続きを忘れて放置してしまう人も多いのではと思います。
イデコ公式サイトによると、2019年は毎月1万人の自動移換者が出ていて、2020年4月時点で累計905,468人にも登ります。
参考:業務状況|ライブラリ|イデコ公式サイト|老後のためにいまできること、iDeCo|国民年金基金連合会
そこでこの記事では、退職後に確定拠出年金を放置してしまった人向けに、自動移換とはどういう状態なのか、デメリットは何なのか、どうするのが1番お得なのかといったことをを徹底解説します。
- 自動移換のデメリットが分かる
- 自動移換になってしまったらどうすればいいのか分かる
- iDeCoでどの証券会社でどの商品を買っておくといいのかが分かる
なお、本当にiDeCoを始めるべきか?、運用商品の選び方、失敗しない受け取り方など、確定拠出年金の網羅的な情報は↓にまとめているのでぜひご覧ください。
目次
企業型確定拠出年金:退職後、6ヶ月放置すると自動移管になる
会社を退職した後に、確定拠出年金の移管手続きをせずに6ヶ月間放置すると「自動移換」というものが行われます。
自動移換になると会社の確定拠出年金で運用されていた投資商品は全て売却して現金化され「国民年金基金連合会」にお金が移されます。
そして、非情にも自動移換されると手数料がとられてしまいます。
- 特定運営管理機関手数料:3300円
- 国民年金基金連合会手数料:1048円
- 毎月の管理手数料:52円/月
さらに新たにidecoや会社の確定拠出年金に加入する時に以下の手数料がかかります。
- 特定運営管理機関手数料:1,100円
企業型確定拠出年金を退職後に放置したときの4つのデメリット
自動移換されて「idecoに加入したりするのも面倒だな」「このまま放置でも別にいいんじゃないか」と思う方もいるかもしれませんが、放置し続けるのはもっと危険です。
自動移換の状態を続けることのデメリットは以下の4つです。
- 資産の運用がされず、お金が増えない
- 手数料は毎月固定でかかるので、資産が減っていく
- 自動移換中は加入者期間と見なされないので、老後の受け取りが遅くなる
- 同じく退職所得控除が減るため、受け取り時の税金が増える
資産の運用がされず、お金が増えない
自動移換された状態だとただ「現金化」されて置かれていることになり、資産運用がされません。
もともと会社の確定拠出年金では投資信託や定期預金、保険などの運用商品を選んでいたと思いますが、これらの商品は自動移換時に売却され、現金化されて「国民年金基金連合会」に保管されています。
銀行の預金とも異なるため、利息さえつきません。
手数料は毎月固定でかかるので、資産が減っていく
自動移換された状態でも毎月52円の手数料がかかります。
1年で624円、5年で3,120円と勝手にお金が取られていきます。
何の価値もないものにお金を払い続けるのは非常にもったいないので、早い段階で自動移換状態を止めましょう。
自動移換中は加入者期間と見なされないので、老後の受け取りが遅くなる
自動移換中は、確定拠出年金の加入者期間にカウントされません。
あまり知られていませんが、確定拠出年金は加入期間に応じて受け取りができる年齢が変わります。
通算加入者等期間 | 請求可能年齢 |
---|---|
10年以上 | 60歳から |
8年以上 | 61歳から |
6年以上 | 62歳から |
4年以上 | 63歳から |
2年以上 | 64歳から |
1ヶ月以上 | 65歳から |
参考:給付金をお受け取りになる方 | 日本インベスター・ソリューション・アンド・テクノロジー株式会社
なので、自動移換状態を放置し続けると60歳からもらおうと思っていたのにもらえなかった、なんてことも起こり得ます。注意しましょう。
同じく退職所得控除が減るため、受け取り時の税金が増える
確定拠出年金の加入者期間にカウントされないと、確定拠出年金の受け取り時に税金が増えてしまいます。
確定拠出年金を一括受け取りすると、税制上は退職金と同じように扱われ、退職所得控除がもらえます。
この「退職所得控除」が圧倒的にお得なのですが、所得控除は以下のルールで決まります。
- 拠出期間が20年間まで:
加入年数 x 40万円 - 拠出期間が20年を超えたら:
800万円 + 加入年数 x70万円
例えば、20年であれば800万円が非課税に、30年であれば1500万円が非課税になります。
自動移換中は加入年数にカウントされないので、1年放置すると40万円の所得控除が消えてしまいます。
自動移換後に放置しちゃったらどうすればいい?3つの対応方法
ここまでみてきたように、自動移換はデメリットしかありません。
なので、会社を退職後は6ヶ月以内に自分で移管手続きをしましょう。
放置してしまった人も退職後6ヶ月以内の人も、取れる対応の選択肢は以下の3つになります。
- 脱退手続きをする(厳しい条件を満たせる場合)
- 企業型確定拠出年金に加入する(勤務先にある場合)
- 個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入する
1つずつ見ていきます。
脱退手続きをする(厳しい条件を満たせる場合)
「確定拠出年金はよくわからないからもうやめたいんだけど!」という人も中にはいるかもしれません。
確定拠出年金は老後の年金づくりの位置付けなので、原則的には途中解約はできませんが、厳しい条件に当てはまれば「脱退一時金」を受け取ることも可能です。
脱退一時金を受け取る正確な条件は、とにかくごちゃごちゃと複雑な条件が書かれているのではじめて見る人は悶絶して発狂すると思います。
公式のiDeCoポータルが質問に答えるだけで自動判定してくれるページを公開しているので、こちらから試してみるのが1番早いです。
参考:脱退一時金の請求(自営業・主婦・60歳以上)|確定拠出年金のJIS&T
以下のいずれかに当てはまる方は、ワンチャンあるかもしれません。
- 国民年金の第1号被保険者のうち、国民年金保険料の全額免除または一部免除、もしくは納付猶予を受けている方
- 資産額が15,000円以下であること
繰り返しになりますが、原則的には脱退できないものなので、条件を満たせる方は本当に極々一部の方だと思います。
脱退ができなかった場合、次の可能性もおさえておきましょう。
企業型確定拠出年金に加入する(勤務先にある場合)
退職後に転職をしている、あるはこれからする予定の人は、まず勤務先で企業型の確定拠出年金を導入しているか、確認してみましょう。
確定拠出年金導入済みであれば、会社の確定拠出年金に加入すればOKです。これまでと同じように資産の運用ができます。
大手の企業なら導入している可能性が高いですが、中小企業だとまだまだ導入しているところは少ないかもしれません。
そんな人は次の個人型があります。
個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入する
会社を退職してフリーランス・個人事業主になる人、新しい勤務先に確定拠出年金がない人は、個人型の確定拠出年金に加入しましょう。
- 新しい勤務先に確定拠出年金がない人
- フリーランス・個人事業主になる人
- 専業主婦(夫)になる人
- 無職になる人
確定拠出年金は加入すると毎月5,000円を拠出する必要がありますが、収入がない専業主婦や無職の方の中では厳しい人もいるかもしれません。
その時は「加入者(拠出する)」ではなく「運用指示者(拠出しない」としてiDeCoに入れば毎月の拠出をしなくても済むのでおすすめです。
収入がちゃんとあって毎月5000円を積み立てる余力がある場合は、拠出時の節税効果が馬鹿にならないぐらい大きいので、ちゃんと拠出するようにしましょう。
「iDeCoはどこの金融機関が良いのかぜんぜんわからないなぁ」と困っているなら、初心者の方であればSBI証券、中級者以上の方は将来の拡張性に優れた「マネックス証券」がおすすめです。
より詳しい金融機関の比較は「iDeCo(イデコ)の比較!手数料・商品からおすすめ金融機関を紹介!」にまとめているのでぜひご覧ください。
CHECK! iDeCo(イデコ)の比較!手数料・商品からおすすめ金融機関を紹介!
企業型確定拠出年金を退職後に放置してしまった人向けにiDeCoおすすめ商品を2つ紹介
多くの方にとって、退職後はiDeCoに加入するのがベストな対策になります。
ですが、iDeCo加入後にまた定期預金で運用するのはとてももったいないです。
ここでは退職後、放置してしまった人でもほったらかしで資産形成ができるおすすめ商品を紹介します。
- 全世界株式:eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)
- 先進国株式:eMAXIS Slim先進国株式
全世界株式のおすすめ商品:eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)
1つ目は「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」です。
ファンド名 | eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) |
---|---|
設定日 | 2018/03/19 |
商品種別 | インデックス投信 |
資産クラス | 全世界株式 |
対象インデックス | MSCI ACWI Index(除く日本) |
購入手数料 | 0% |
信託財産留保額 | 0% |
信託報酬 | 0.1144% |
純資産総額 | 504.6億円 (2021/03/31) |
この商品を買える 主な金融機関 | SBI証券(セレクトプラン) |
これ1本で日本を除く全世界に丸ごと投資できる素晴らしい商品です。全世界の時価総額の90%以上をカバーしていて、アメリカも中国も、これからどんどん伸びてくるインドなどの新興国も全てがこの1本の投資対象に含まれています。
完全放置で世界経済の成長の恩恵を受けれるので、定期預金代わりにほったらかしにするにはうってつけです。
信託報酬も非常に安いです。
「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」は、SBI証券の「セレクトプラン」と呼ばれるiDeCoでしか取扱がありません。
SBI証券「セレクトプラン」についての詳細はこちらの記事をご覧ください。
先進国株式のおすすめ商品:eMAXIS Slim先進国株式
2つ目は「eMAXIS Slim先進国株式」をおすすめします。
ファンド名 | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス |
---|---|
設定日 | 2017/02/27 |
商品種別 | インデックス投信 |
資産クラス | 先進国株式 |
対象インデックス | MSCI コクサイ・インデックス |
購入手数料 | 0% |
信託財産留保額 | 0% |
信託報酬 | 0.1023% |
純資産総額 | 1835.3億円 (2021/03/31) |
この商品を買える 主な金融機関 | マネックス証券、SBI証券(セレクトプラン) |
「eMAXIS Slim先進国株式」は、先進国株式の国々へ投資できる投資信託で、全世界の時価総額の80%以上をカバーしています。
信託報酬は「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」よりもさらに低コストです。
コストとカバーできるエリアのバランスが非常にいいです。
「eMAXIS Slimシリーズ」の商品は、他社からもっと安いファンドが出たら、負けじと値下げしてくれる優良ファンドです。
定期預金代わりにまず始めるなら、これら2本のいずれかから選べば無難に優れたリターンが期待できると思います。
まとめ:iDeCoはマネックス証券(中級者向け)かSBI証券(初心者向け)で始めよう
退職後、確定拠出年金の手続きを放置してしまったときの対応方法をまとめました。
6ヶ月放置すると行われる「自動移換」はデメリットしかないので、いますぐ自動移換状態を解消しましょう。
これからiDeCo口座を作る方は、業界最安水準の投資信託「eMAXIS Slimシリーズ」が買えるマネックス証券かSBI証券「セレクトプラン」で始めるのがおすすめです。
- マネックス証券 iDeCo:低コストかつ商品拡張性に優れる。長期運用にピッタリ
- SBI証券:初心者向けのiDeCoに最適。iDeCo以外も万能。全てが合格点
2018年5月からiDeCoの取り扱い商品上限数に35個の上限が設定されましたが、マネックス証券は将来低コストな商品が登場してもiDeCoラインナップへの拡充が期待できます。
僕も今の会社を退職したら、iDeCoはマネックス証券に移管するつもりです。
iDeCoで長期に渡り低コストな運用を続けたい方は、マネックス証券で始めましょう。
CHECK! マネックス証券 iDeCo
また、初心者の方はSBI証券がおすすめです。iDeCo以外の「つみたてNISA」「米国株」など全てにおいて平均点を超えていて優秀です。
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その他の証券会社との比較はこちらの記事をご覧ください。