こんにちは、確定拠出年金で100万円以上を運用しているシータ(@tsumitate_theta)です。
先日Twitterでつぎのような質問をいただきました。
シータさんのブログを読んでiDeCoは全てeMAXISslimの新興国株にしましたがS&P500の方が良いのでしょうか?
その辺の情報もブログ更新にアップしていただけるとありがたいです。
今回はこの質問に回答する形で、初心者の方向けのiDeCoおすすめ商品をご紹介します。
- iDeCoの資産配分の考え方
- 初心者の方がどの商品を選べば良いか分かる
なお、「本当にiDeCoを始めるべきか?」「運用商品の選び方」「失敗しない受け取り方」など、確定拠出年金の網羅的な情報はこちらにまとめているのでぜひご覧ください。
iDeCoで最適なアセットアロケーションの考え方
【大前提】万人向けの資産配分は市場(マーケット)ポートフォリオ
現代の王道と呼ばれる資産配分は、全世界の時価総額比率どおりに株式を保有する「市場(マーケット)ポートフォリオ」です。
資産価格モデル(CAPM)」でウィリアム・シャープさんらは1990年にノーベル賞を受賞しているよ
全世界の時価総額比率どおりに株式を保有すれば、リスクを抑えた形で無難なリターンを得られます。
最近の世界各国の時価総額の配分を示したグラフがこちらです。
地域で分類すると、ざっくり「日本:先進国:新興国=10:80:10」程度の配分になっています。
初心者はまず「市場ポートフォリオ」に忠実に。徐々に自分の色を出していくといい
何事も最初は変にアレンジせず、「型」に忠実に実行するのが良いです。まずは「市場ポートフォリオ」の資産配分から始めましょう。
例えば、1万円の運用資金を市場ポートフォリオどおりに配分すると、次のようになります。
- 日本株式:1,000円
- 先進国株式:8,000円
- 新興国株式:1,000円
自分の運用する資産全体で、上記のような配分が維持できていればOKです。
まずは「市場ポートフォリオ」の資産配分で積立投資をはじめつつ、興味があれば米国など有力な地域について理解を深め、その地域の成長に確信を持てるようになったら、配分を増やしていくと良いと思います。
逆に「うーん、この地域は今後成長難しいだろうな」と思えば、配分を減らすのもありです。
米国の成長に自信が持てるなら、米国株式(S&P500)もあり【中級者向け】
米国への配分を増やすのはもちろんありです!米国は世界の時価総額の半分以上を占めるので、何気に「新興国株式」よりも配分が大きいんですよね。
ただし、米国への配分を増やすのは、自分で学習をして米国の成長を自分自信で信じられるようになってからが良いと思います。
米国への配分を増やせば「市場ポートフォリオ」からずれるので、「市場ポートフォリオ」のリターンを下回る可能性も出てきます。
投資に限らずですが、自分の行動の結果はすべて自分の責任です。「あの人の言うことが悪かった。騙された」ではなくて「次にこうならないようにするにはどうすればよかっただろうか」と考えられるように毎日をすごしていきたいですね。
そのためにも、自分で学習をして確信が得られたものに投資をしていくのが、後悔が少なくおすすめです。
その上で僕の持論:iDeCoで日本株式は除外していい
「市場ポートフォリオに忠実に」と言った直後に持論で申し訳ないですが、iDeCoで日本株式への配分は不要と思っています。
iDeCoは「60歳まで強制的に引き出しができない」「運用中の利益は非課税」という特徴があるため、長期間の投資で利益がたくさん出るものに投資をするほうが、支払う税金をチャラにしてもらえるのでお得です。
日本は過去30年、ほとんど経済成長ができず、物価や給料も上がらず、世界の成長から取り残されてしまいました。
参考:Google Public Data Explorer
今後の日本は少子高齢化が進み、次のようなことが起きていくと思います。
- 少子高齢化による生産年齢人口の減少
- 高齢化進行による社会保険料負担の増加
- 人口減少による税収減をカバーする増税
基本的に現役を引退すると収入が減るため、お金の使い方は慎重になります。今後は現役世代が減少し、代わりに高齢者が増えていくため、使われるお金が減っていくはずです。
同時に現役世代は、高齢者の医療費や年金を支えるために社会保険料や税金の負担が増えます。こうなると現役世代のお金の消費はさらに減っていくと思います。
日本の将来についてはこちらの記事も一度ご覧ください。
iDeCoで初心者におすすめの商品
- eMAXIS Slim全世界株式(除く日本):市場カバー率90%
- eMAXIS Slim先進国株式:市場カバー率80%
eMAXIS Slim全世界株式(除く日本):市場カバー率90%
「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」は、市場ポートフォリオから日本を除いた国々へ投資へ投資できる商品で、僕がiDeCoでおすすめしたい資産配分をこれ1本で実現できるスグレモノです。
ファンド名 | eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) |
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設定日 | 2018/03/19 |
商品種別 | インデックス投信 |
資産クラス | 全世界株式 |
対象インデックス | MSCI ACWI Index(除く日本) |
購入手数料 | 0% |
信託財産留保額 | 0% |
信託報酬 | 0.1144% |
純資産総額 | 504.6億円 (2021/03/31) |
この商品を買える 主な金融機関 | SBI証券(セレクトプラン) |
投資対象の内訳は、次のとおりです。
「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」は、「複数の商品を管理するのは面倒だから、1本で無難な成果が出せるのがいいな」という人にピッタリの商品です。
以前は0.15%ぐらいあった信託報酬は、度重なる値下げのおかげで今では0.11%まで下がってきています。
ただ、2020年6月時点で「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」の取扱があるiDeCoは、SBI証券「セレクトプラン」のみとなっています。
こちらの商品をiDeCoで積み立てたい方は、SBI証券で始めるようにしてみてください。
SBI証券はiDeCoだけでなく、つみたてNISAや米国株などあらゆる分野で平均点以上のコスパと使い勝手を誇るので、まだ口座をお持ちでない方はこの機会に作っておくと良いと思います。
CHECK! SBI証券
eMAXIS Slim先進国株式インデックス:市場カバー率80%
「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」は、日本を除く先進国の国々へ投資できる投資信託で、これ1本で世界株式の80%以上をカバーできます。
「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」よりカバーできる地域は減りますが、信託報酬が安く低コストで運用ができるのが魅力です。
ファンド名 | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) |
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設定日 | 2018/10/31 |
商品種別 | インデックス投信 |
資産クラス | MSCI ACWI Index |
購入手数料 | 0% |
信託財産留保額 | 0% |
信託報酬 | 0.1144% |
純資産総額 | 1346.58億円 (2021/03/31) |
この商品を買える 主な金融機関 | マネックス証券 |
「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」の投資対象国の内訳は次のようになっています。
「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」でなく「eMAXIS Slim先進国株式」を選ぶメリットは次のとおりです。
- 日本の投資信託で最安水準の信託報酬0.107892%
- 「新興国株式」と組み合わせて配分を自分好みに調整できる
「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」はとにかく信託報酬が安いです。「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」も安いんですが、さらに安い。
もうひとつは「新興国株式」と独立しているので、同じeMAXIS Slimシリーズの「eMAXIS Slim新興国株式」と組み合わせて配分を自由に調整できます。
というのも、最近の新興国株式の推移は先進国株式と連動することが多く、そのわりに下落するときは先進国株式よりもさらに下がる、という傾向があります。
なので「新興国株式」の配分を「市場ポートフォリオ」の10%よりも下げたい、あるいは新興国株式には投資したくない、といったときに「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」で運用していると調整ができて良いです。
「複数の投資信託を買うのはむりだなぁ」と思う方もいるかもしれませんが、現時点では世界市場の8割を占める「先進国株式」1本でもさほど問題はないと思います。
「eMAXIS slim先進国株式」は次の2つの証券会社で取扱があるので、チェックしてみてください。
- マネックス証券 iDeCo:低コストかつ商品拡張性に優れる。長期運用にピッタリ
- SBI証券:初心者向けのiDeCoに最適。iDeCo以外も万能。全てが合格点
補足:ひふみ年金は初心者におすすめしない
「人気のひふみが気になってるんだけど」という方もいると思いますが、初めて投資を始める初心者の方へはおすすめしません。
ひふみプラス・ひふみ年金のような「アクティブファンド」は統計的に「インデックスファンド」に敗れる可能性が高い(80%は負ける)からです。
「いや!僕はひふみがどんなに不調に陥っても、将来を信じて一緒に応援していけるぞ!」という上級者の方であれば問題ありませんが、初心者の方は無難にインデックスファンドを買うことをおすすめします。
詳しくは「【積立NISA】ひふみプラス(ひふみ投信)のメリット・デメリット・リスク【初心者にはおすすめしない】」で解説しているので、興味がある方はご覧ください。
まとめ:ネットができる人ならSBI証券かマネックス証券でiDeCoを始めよう
iDeCo初心者の方におすすめの商品は次の2本です。
- eMAXIS Slim全世界株式(除く日本):市場カバー率90%
- eMAXIS Slim先進国株式:市場カバー率80%
上記2本は、投資信託の中でも最安の部類になるため、いまのところネット証券でしか取り扱いがありません。
これからiDeCo口座を作る方は、業界最安水準の投資信託「eMAXIS Slimシリーズ」が買えるマネックス証券かSBI証券「セレクトプラン」で始めるのがおすすめです。
- マネックス証券 iDeCo:低コストかつ商品拡張性に優れる。長期運用にピッタリ
- SBI証券:初心者向けのiDeCoに最適。iDeCo以外も万能。全てが合格点
2018年5月からiDeCoの取り扱い商品上限数に35個の上限が設定されましたが、マネックス証券は将来低コストな商品が登場してもiDeCoラインナップへの拡充が期待できます。
僕も今の会社を退職したら、iDeCoはマネックス証券に移管するつもりです。
iDeCoで長期に渡り低コストな運用を続けたい方は、マネックス証券で始めましょう。
CHECK! マネックス証券 iDeCo
また、初心者の方はSBI証券がおすすめです。iDeCo以外の「つみたてNISA」「米国株」など全てにおいて平均点を超えていて優秀です。
「証券会社を切り替えて使うのが面倒。できるだけほったらかしがいい」と感じる方はSBI証券で始めましょう。(うちの妻もSBI証券を利用してます)
今なら期間限定でキャンペーンが開催中です。
CHECK! SBI証券
CHECK! iDeCoはこちらからどうぞ
その他の証券会社との比較はこちらの記事をご覧ください。