こんにちは、確定拠出年金で100万円を運用しているシータ(@tsumitate_theta)です。
節税しながら老後の資産を築けるiDeCo(確定拠出年金)の人気が高まっています。
人気を受けて多くの証券会社がiDeCoに参入しているため、どの会社の証券会社が良いのか、選びきれない人も多いのではないかと思います。
今回はiDeCoで優れたサービスを展開しているマネックス証券、楽天証券、SBI証券の3社の手数料・運用商品を比較して、おすすめの証券会社をご紹介します。
本当にiDeCoを始めるべきか?、運用商品の選び方、失敗しない受け取り方など、確定拠出年金の網羅的な情報は↓にまとめているのでぜひご覧ください。
目次
iDeCo(確定拠出年金)とは
iDeCo(確定拠出年金)とは、自分で老後の資金を準備する年金制度です。
国民年金や厚生年金などの国が運用している年金もありますが、これらを頼りにしすぎるのは危険です。日本が少子高齢化を迎え、需給バランスが崩壊することがほぼ確定的だからです。
自分の老後資金は自分で運用して増やそう、そのために国は税金をめちゃくちゃ優遇しちゃうよ、というのがiDeCo(確定拠出年金)の位置付けです。
用意された税制優遇を最大限活用するのが、賢くこの時代を生き抜くための方法になります。
iDecoの3つの節税メリット
iDecoには3つの節税メリットがあります。
- 拠出時の掛け金が全額所得控除
- 運用時の利益が全額非課税
- 受取時の一定額が非課税
拠出時の節税効果がどれぐらいになるかと言うと、年収650万円のサラリーマンが毎月23000円を拠出した場合、1年間で82800円(所得税・住民税の合計)を節約できます。
82800円も節約できたら、それだけで小旅行に行けてしまいますよね。
30年続けると、248万円の節税効果です。
運用益についても、年利7%で運用すると30年後には資産は7.6倍に増えます。
毎月23000円を積みててて、年利7%で30年運用すると運用益は1877万円にもなります。その時の節税効果は375万円です。
さらに受け取り時も、30年運用すると1500万円までが非課税になります。
拠出している年数が多いほど、受け取り時の非課税学が増えるので、できるだけ早く拠出を開始することがポイントです。今はじめてiDeCoを知ったのなら、すぐに加入して拠出を開始するのが懸命です。
拠出する金額は毎月1000円でもOKなので金銭的な負担は気にしなくてだいじょうぶです。
iDeCo(確定拠出年金)の詳細はこちらの記事もご覧ください。
CHECK! 確定拠出年金(iDeCo)で節税は嘘?サラリーマンの節税効果をシミュレーション!
iDeCoの証券会社を選ぶ2つのポイント
- 手数料
- 運用商品
実は当初「給付時」の特徴も比較しようと考えていたのですが、多くの方にとって給付時は10年、20年以上先のことになると思います。
その頃にはさらに各社のサービスはよくなっていると思われるので、今の時点で比較してもあまり意味はなさそう、ということで2点で比較することにしました。
iDeCo(イデコ)の比較:手数料
どの証券会社でも共通でかかる手数料
iDeCoは以下の3社が協力して運用されています。
- 国民年金基金連合会
- 信託銀行
- 証券会社
このため、証券会社の手数料が無料だとしても、他の機関へ支払う手数料が発生します。
どの証券会社でも必ず発生するは、以下の通りです。
項目 | 支払先 | 金額 |
---|---|---|
加入時 初期手数料 | 国民年金基金 連合会 | 2,829円 |
毎月 (拠出あり時) | 国民年金基金 連合会 | 105円 |
毎月 (拠出あり時) | 信託銀行 | 66円 |
毎月 (拠出なし時) | 信託銀行 | 66円 |
給付手数料 | 信託銀行 | 440円/1回 |
還付手数料 | 国民年金基金 連合会 | 1048円/1回 |
還付手数料 | 信託銀行 | 440円/1回 |
まとめると、このようになります。
- 加入時:2,829円
- 運用時:171円/月
- 給付時:440円/1回
- 還付時:1488円/1回
「給付時」とは、掛け金の受け取りができる60歳以降の話で、受け取り方法は一括受け取りと年金として毎月受け取る方法を選べますが、この際に1回ごとに440円がかかるよ、ということです。
「還付時」とは、iDeCoの上限を超えて拠出されたときや加入資格のない月に拠出された金額をあなたへ返すときのことで、通常の運用をしていればほぼ発生しないイレギュラーな費用です。
各社で異なる手数料比較
次に各社で異なる手数料をみていきます。
金融機関 | 加入時 | 運用時 | 給付時 | 還付時 | 移換時 | |
---|---|---|---|---|---|---|
拠出あり時 | 拠出なし時 | |||||
マネックス証券 | 2,829円 | 171円 | 66円 | 440円 | 1,488円 | 4,400円 |
SBI証券 | 2,829円 | 171円 | 66円 | 440円 | 2,148円 | 4,400円 |
楽天証券 | 2,829円 | 171円 | 66円 | 440円 | 1,488円 | 4,400円 |
イオン銀行 | 2,829円 | 171円 | 66円 | 440円 | 1,488円 | – |
みずほ銀行 | 2,829円 | ①171円 ②431円 | ①66円 ②326円 | 440円 | 1,488円 | – |
大和証券 | 2,829円 | 171円 | 66円 | 440円 | 1,488円 | 4,400円 |
野村證券 | 2,829円 | ①171円 ②459円 | ①66円 ②354円 | 440円 | 1,488円 | – |
ゆうちょ銀行 | 2,829円 | 430円 | 325円 | 440円 | 1,488円 | – |
りそな銀行 | 2,829円 | ①171円 ②438円 ③493円 | ①66円 ②388円 | 440円 | 1,488円 | 0円 |
三井住友銀行 | 2,829円 | 431円 | – | 440円 | – | 4,400円 |
三菱UFJ銀行(標準コース) | 2,829円 | 556円 | 423円 | 440円 | 1,488円 | 4,400円 |
三菱UFJ銀行(ライトコース) | 2,829円 | 431円 | 326円 | 440円 | 1,488円 | – |
ろうきん | 2,829円 | 481円 | 376円 | 440円 | 1,488円 | – |
au | 2,829円 | 171円 | 66円 | 440円 | 1,488円 | 4,400円 |
※表内の「-」はホームページに記載がなかったもの
※条件による価格が変わるものは番号(①②③)を振ってます
金融機関により差が出てくるのは「運用時」の手数料です。
マネックス証券、SBI証券、楽天証券、イオン銀行など主にネット証券・銀行の手数料が安くなっています。
SBI証券は「還付時手数料」が2,148円/1回でコスト高になっています。ただ、イレギュラーな費用であるため、そこまで過敏になる必要はないと思います。
手数料に関しては、ネット証券が優勢で、ネット証券内では横並びと言っていいでしょう。
iDeCo(イデコ)の比較:運用商品
iDecoで運用商品を選ぶポイント
失敗しないiDeCo商品の選び方は次のとおりです。
- 何度売買しても課税されないので気楽に選ぶ
- インデックスファンドから選ぶ
- 高いリターンが見込める新興国、先進国、全世界株式バランス型から選ぶ
- 各アセットクラスの中で信託報酬が安いものを選ぶ
- 純資産残高が一定以上に大きく、右肩上がりに増えているものを選ぶ
どの証券会社でも使えるiDeCo商品の選び方は、以下の記事で詳細に解説しているので参考にしてみてください。
CHECK! マネックス証券のiDeCoでおすすめの商品と資産配分を徹底解説!
運用商品選びで最も大事なことは、信託報酬が安いものを選ぶこと
長期投資をする上で、「信託報酬が安いものを選ぶ」ことはとても重要です。
2018年10月31日、SBI証券のiDeCoに新プラン「セレクトプラン」が導入され、低コストな投資信託が大量に追加されました。
これによりSBI証券のiDeCoは従来の「オリジナルプラン」と新プラン「セレクトプラン」のいずれかを選ぶ選択式に変わりました。
セレクトプランも加えた各社プランから、資産クラスごとに信託報酬が最安の商品をリストアップしました。
【2020年12月4日更新】
金融機関 | 全世界株式 | 先進国株式 | 新興国株式 | 米国株式 |
---|---|---|---|---|
マネックス証券 | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) (0.1144%) | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) (0.0968%) | eMAXIS Slim 新興国株式インデックス (0.187%) | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) (0.0968%) |
SBI証券(セレクトプラン) | eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) (0.1144%) | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) (0.0968%) | eMAXIS Slim 新興国株式インデックス (0.187%) | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) (0.0968%) |
SBI証券(オリジナルプラン) | なし | DCニッセイ外国株式インデックス (0.2079%) | DC新興国株式インデックスファンド (0.605%) | iFree NYダウ・インデックス (0.2475%) |
楽天証券 | 楽天・全世界株式インデックス・ファンド (0.212%) | たわらノーロード 先進国株式 (0.10989%) | インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式 (0.374%) | 楽天・全米株式インデックス・ファンド (0.162%) |
イオン銀行 | なし | たわらノーロード 先進国株式 (0.10989%) | DIAM新興国株式インデックスファンド<DC年金> (0.5995%) | なし |
みずほ銀行 | なし | たわらノーロード 先進国株式 (0.10989%) | なし | なし |
大和証券 | なし | ダイワつみたてインデックス外国株式 (0.2255%) | なし | なし |
野村證券 | なし | 野村DC外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSA (0.154%) | 野村新興国株式インデックスファンド(確定拠出年金向け) (0.616%) | なし |
ゆうちょ銀行 | なし | DC外国株式インデックスファンドL (0.275%) | なし | なし |
りそな銀行 | なし | Smart-i 先進国株式インデックス (0.22%) | Smart-i 新興国株式インデックス (0.374%) | なし |
三井住友銀行 | 三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド (0.275%) | なし | 三井住友・DC新興国株式インデックスファンド (0.374%) | なし |
三菱UFJ銀行(標準コース) | なし | 三菱UFJ <DC>外国株式インデックスファンド (0.869%) | DC新興国株式インデックスファンド (0.605%) | なし |
三菱UFJ銀行(ライトコース) | なし | eMAXIS 先進国株式インデックス (0.66%) | なし | なし |
ろうきん | なし | 野村DC外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSA (0.154%) | なし | なし |
au | なし | なし | なし | なし |
信託報酬は数字が低いほど運用コストが安くなります。
以前は、全ての資産クラスでマネックス証券が他社を圧倒していましたが、SBI証券の新プラン「セレクトプラン」はマネックス証券に匹敵する低コストを実現してます。
両社ともに業界最安水準を目指す「eMAXIS Slimシリーズ」の取り扱いがあることが大きいです。
ネット証券No2の楽天証券は、SBI証券やマネックス証券と比べると低コスト化に遅れている状況です。
もう1つの軸、商品の拡張性も比較しておく
「確定拠出年金の商品が多すぎると投資家の商品選びが大変になるから、上限を35個にしよう」という取り決めが2018年5月1日からスタートしました。
参考:確定拠出年金制度等の一部を改正する法律の主な概要(平成30年5月1日施行) |厚生労働省
SBI証券従来のiDeCo「オリジナルプラン」は商品数が60を超えていて、大幅に商品数を減らす必要がありました。
一方で「既存投資家の運用中の商品に出来る限り影響を与えたくない」そういった理由から新プランとして「セレクトプラン」が誕生しています。
逆にいうと「商品数は出来る限り35個より少ない方が、将来的に良い商品が生まれた時にラインナップに拡充しやすい」ということです。
項目 | SBI証券 オリジナル プラン | SBI証券 セレクト プラン | 楽天証券 | マネックス 証券 |
---|---|---|---|---|
商品数 | 63 (後に37へ) | 36 | 32 | 26 |
SBI証券の「セレクトプラン」は新プランにも関わらず、既に上限となる35個を使い切ってしまってます。
一方、マネックス証券の商品数は26個なので、あと9個分余裕があります。
マネックス証券は2020年1月10日、全世界株式の最安水準ファンド「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」を商品ラインナップに追加しました(日本初)
少しでもオトクにiDeCoを運用したい人はマネックス証券がおすすめ
- 複数証券会社を利用することに抵抗がない人
- ローコストなインデックスファンドを重視する人
- 将来にわたり、iDeCo移管を出来る限り抑えたい人
僕は企業型確定拠出年金に加入していましたが、会社を退職してからはマネックス証券のiDeCoに移換しました。
ちなみにつみたてNISAは楽天カード払いで1%ポイント還元を受けられる「楽天証券」を利用する形で使い分けています。
マネックス証券の商品ラインナップは圧倒的低コストで将来に渡って安定が期待できるので胸を張っておすすめできます。
CHECK! マネックス証券 iDeCo
iDeCoだけじゃなく、つみたてNISAも同じ証券会社でやりたい人はSBI証券がおすすめ
SBI証券は、iDeCoだけでなく、つみたてNISAや米国株、日本株などすべてにおいて平均点以上の使い勝手を誇る、万能な証券会社です。
- 同じ証券会社でつみたてNISAもやりたい人
- 同じ証券会社で米国株もやりたい人
- みんなが使っている安心感が欲しい人(口座数No1)
「将来の商品拡張性」はマネックス証券に劣りますが、それ以外の部分ではマネックス証券に全く引けをとりません。
また、つみたてNISAや米国株に関してはマネックス証券よりもオトクに運用できるため、「複数の証券会社を使い分けるのはちょっと無理そう」という方は最初からSBI証券の口座を作ってしまうのがおすすめです。
投資初心者のうちの嫁は、まさに「複数口座なんてどこで何をやってるのかわからなくないし、パスワード覚えるのも大変だから無理!」というタイプなので、SBI証券1つでつみたてNISAとiDeCoを運用しています。
460万人以上が口座開設をしていて、うちの嫁でも問題なく使えているので、初心者の方でも使いこなせると思います。
シンプルにiDeCoを運用したいなら、SBI証券で口座を作りましょう。
今なら期間限定でキャンペーンが開催中です。
CHECK! SBI証券
CHECK! iDeCoはこちらからどうぞ
こんな人は楽天証券がおすすめ
長期投資にふさわしい商品「eMAXIS Slimシリーズ」がないからです。
ただし、既に楽天証券を利用していて「複数の証券会社を使い分けるのはしんどいなぁ」という人は楽天証券で口座開設するのが良いと思います。
- 既に楽天証券を利用していて、まだiDeCo口座を作っていない人
- 口座管理をシンプルにしたい人
楽天証券が最も輝くのは「つみたてNISA」や「投資信託積立」です。
- つみたてNISA:
楽天銀行と連携して「毎日積立」をすると、毎日楽天ポイントがもらえる - 投信積立:
楽天カード払いが可能で積立額の1%楽天ポイントがもらえる
なので、楽天証券は「iDeCo以外で投資信託積立をする証券会社」として利用するのが最良です。
まだ楽天証券口座をお持ちでない方は、ノーリスクでリターンが増やせるのでこの機会に作っておくと良いと思います。
CHECK! 楽天証券
まとめ:iDeCoはSBI証券かマネックス証券で始めよう
iDeCoでおすすめの証券会社をまとめます。
- マネックス証券 iDeCo:長期に渡り低コストな運用を続けたい方
- SBI証券:初心者向けのiDeCoに最適
- 楽天証券:楽天証券はつみたてNISA・投資信託積立で活用がベスト
これからiDeCo口座を作る方は、業界最安水準の投資信託「eMAXIS Slimシリーズ」が買えるマネックス証券かSBI証券「セレクトプラン」で始めるのがおすすめです。
僕はマネックス証券のiDeCoに移換中ですが、初心者の方はSBI証券のセレクトプランを選ぶのが良いと思います。
今の日本でiDeCoを活用していないと資産形成の意味でもったいないので、このタイミングで口座開設をしておきましょう!
CHECK! SBI証券
CHECK! マネックス証券 iDeCo