こんにちは、確定拠出年金は株式で運用しているシータ(@tsumitate_theta)です。
2018年の企業年金連合会の調査によると、確定拠出年金の中で実に47%も元本確保型が買われています。(以前よりは改善されてきている)
参考:確定拠出年金に関する実態調査|統計資料|企業年金連合会
「投資はこわい」「元本保証が安心」という気持ちはよくわかりますが、実はこれからの時代は元本保証が最もリスクが高い可能性があります。
この記事では元本保証商品のデメリットと変わりに買うべきおすすめ商品をご紹介します。
- 元本保証の5つのデメリットが分かる
- 元本保証商品を保有しているあなたが変わりに買うべき商品が分かる
なお、本当にiDeCoを始めるべきか?、運用商品の選び方、失敗しない受け取り方など、確定拠出年金の網羅的な情報は↓にまとめているのでぜひご覧ください。
目次
iDeCo(イデコ)の元本保証商品のリスクを理解する前提条件:日本経済の将来は厳しい状況になる可能性が高い
日本経済の今後を占うために「未来の年表」を読んでいる。
・少子化による人口減少
・高齢化による労働力の減少
・社会保険料の増額
・個人所得税の増額このあたりを考えると個人消費は冷え込むだろうし、日本全体の経済成長は相当難易度が高い。
今後10年での衰退は避けられないか。 pic.twitter.com/ZPvaAoqKFT
— シータ@ブロガーx仮想通貨xマネー (@tsumitate_theta) 2018年7月11日
人口減少について生々しい未来を予言してくれている「未来の年表」を以前読んだのですが、消費を支えている労働人口が劇的に減少して行くので、日本がこれから経済成長を続けるのは相当難しそうです。
- 人口減少、少子高齢化による生産年齢人口の減少
- 高齢化進行による社会保険料負担の増加
- 国の税収減少による個人へのさらなる増税
人口減少、少子高齢化による生産年齢人口の減少
まず日本の総人口について。2015年の国勢調査で初めての人口減少が確認されました。
推計値によると2010年がピークで2011年から減少は始まっていた様子です。
- 2015年:1億2700万人
- 2040年:1億1092万人
- 2053年:9924万人
- 2065年:8800万人
2053年に1億人を切り、2065年には8800万人に減少します。
今の時点では、日本の人口が増える未来はありません。
人口を3つの分類に分けたときの推移です。
- 年少人口:0〜14歳
- 生産年齢人口:15〜64歳
- 老年人口:65歳以上
経済発展のために最も重要なのは、15〜64歳の生産年齢人口です。
付加価値生み出す労働力としての役割だけでなく、稼いだお金を積極的に消費し経済を循環させる大事な役割も担っています。
生産年齢人口は、戦後一貫して増え続けてきましたが、今後は以下の推移で減少して行きます。
- 1995年:8726万人
- 2015年:7728万人
- 2029年:7000万人
- 2040年:6000万人
- 2056年:5000万人
- 2065年:4529万人
モノを作る人も、それを消費する人も同時に減っていき、それが止まることはありません。
経済成長=労働人口xテクノロジーなので、労働人口の減少を上回るテクノロジーの進歩がなければ、今後経済成長は相当厳しそうです。
高齢化進行による社会保険料負担の増加
参考:平成30年5月21日に行われた「2040年を見据えた社会保障の将来見通し(議論の素材)」等について
団塊ジュニア(1971年〜1974年生まれ)の人たちが65歳以上になる2040年が老年人口(65歳以上)が最大になる年です。
2040年に向けて社会保険料は増大します。
- 2018年:121兆円
- 2025年:140兆円
- 2040年:190兆円
社会保険料はこれまでも年々引き上げられています。
労働人口が減り続ける中、高齢者は2040年まで増え続けるため、加速度的に僕らの社会保険料負担は上がっていくと思います。
政府の出した推計値は、GDPや賃金上昇率が過去の実績よりもポジティブに見積もられているため、現実はこの推計値よりもさらに厳しい状況になりそうです。
税収減による増税
また社会保険料が増えると、僕らの所得控除も増えるため、税収は相対的に減ります。
さらに労働人口が減れば消費が冷え込むため、さらに税収は減ります。
不足する税収を賄うための増税が行われます。
おさらいをすると
- 人口減少、少子高齢化による生産年齢人口の減少
- 高齢化進行による社会保険料負担の増加
- 国の税収減少による個人へのさらなる増税
これらの三重苦により、日本が今後経済成長を続けるのはとても厳しくなることが予想されます。
iDeCo(イデコ)の元本保証商品5つのデメリット
「日本が今後経済成長を続けるのが難しい」という前提で考えていきます。
確定拠出年金で元本保証商品を選ぶデメリットは5つあります。
- 円安に弱い
- インフレに弱い
- 資産が全く増えない
- 運用益非課税のメリットが死ぬ
- 運用会社が破綻した場合、全額返ってこないことがある
元本保証商品は円安に弱い
円安は、日本円の価値が他の通貨に対して下がることです。
円安になると、1ドル=106円から1ドル=150円のように、1ドル交換するのに必要な日本円が増えてしまいます。
日本経済が縮小し、世界に与える影響が小さくなっていった時、日本円がどれだけ価値を維持できているかは誰にもわかりません。
もし、20年後に1ドル=150円になっていたら、単純にアメリカでの買い物は1.5倍の日本円がかかることになります。
日本円だけで国内で生活をしていると気がつきませんが、世界的に見れば資産の価値が減ってしまうということです。
確定拠出年金で定期預金で運用していると、こうなってしまう可能性が十分にあります。
元本保証商品はインフレに弱い
インフレ=物価が上がると、ものを買うために多くのお金が必要になります。
もし、毎年2%物価が上昇していくとすると、20年後には物価は1.5倍になります。
500円のランチは750円に値上がりし、1000円の晩御飯は1500円に値上がりします。
確定拠出年金の「定期預金」で運用すると、ずっと日本円のままで保有するからインフレすると、この影響を直接受けてしまいます。
なので、確定拠出年金に限らず、日常使う生活費以外は、日本円ではなくインフレに強い株や投資信託などの資産で保有しておくことがインフレ対策としては大切になります。
元本保証商品は資産が全く増えない
元本保証は、その名の通り「元本が保証される=積み立てたお金が減らない」ことが最大の売りですが、その代わりに資産が全く増えません。金利は0.01%です。
他の投資信託は、もちろん一時的にマイナスになることもありますが、1年間での期待リターンは3%は超えてきます。
一時的にマイナスなったところで、確定拠出年金は60歳まで下ろせないので害はありません。
そのまま60歳まで寝かせておくだけで、年利3%のリターンが得られるので、このリターンを捨てて、定期預金を選んでしまうデメリットは大きいです。
元本保証商品は運用益非課税のメリットが死ぬ
さらに、定期預金では資産が増えないので、確定拠出年金の売りである「運用益が非課税」のメリットを捨てることになります。
国が用意した税制優遇は隅々まで活用しきるのが、お得に生活するポイントです。
この権利をみすみす放棄するのは、もったいないことです。
運用会社が破綻した場合、定期預金は1000万まで、保険は90%までしか保全されない
さらに、運用会社が破綻した場合、定期預金だと1000万円までしかお金が保全されないので要注意です。
保険商品の場合は、90%までです。
一方、投資信託であれば運用と保全は分離されているので、全額が保全されます。
元本保証商品のデメリットは全て海外投資信託で解消できる
ここまであげてきたデメリットは全て「海外投資信託」を購入すれば解決できます。
- 円安に弱い:
→海外投資信託は為替の影響を受けるので、円安になるとむしろ利益が増える - インフレに弱い:
→インフレすると企業の売上が増えて株価が上がる
→株価が上がると海外投資信託も値上がりする - 資産が全く増えない:
→全世界への国際分散投資でも3%以上のリターンが期待できる - 運用益非課税のメリットが無駄:
→年利3%リターンにかかる税金を全て非課税にできる - 運用会社が破綻した場合、全額返ってこないことがある:
→投資信託は運用と保全が分離されているので、高額でも全額保全される
これだけを見ると最高かよ!って思えますが、もちろん投資信託にもデメリットはあるからそこもおさえておきましょう。
- 円高になるとマイナスが増える
- 価格が値下がりするリスクがある
- カントリーリスク(海外で戦争が始まったりすると)で株価に悪影響が出ることがある
とはいえ、投資信託のデメリットは全て長期投資をすれば解消できる問題なので、60歳まで引き出せない確定拠出年金の環境下では、あまり気にしなくてもだいじょうぶです。
つまり、確定拠出年金では絶対に「海外投資信託を買うべき」と僕は心を込めて伝えたいです。
元本保証の代わりにおすすめしたいiDeCo商品
定期預金で積み立てていた人向けとして、完全放置で運用できるほったらかしでOKな商品を2つピックアップしました。
- 全世界株式:eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)
- 先進国株式:eMAXIS Slim先進国株式
全世界株式のおすすめ商品:eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)
1つ目は「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」です。
ファンド名 | eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) |
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設定日 | 2018/03/19 |
商品種別 | インデックス投信 |
資産クラス | 全世界株式 |
対象インデックス | MSCI ACWI Index(除く日本) |
購入手数料 | 0% |
信託財産留保額 | 0% |
信託報酬 | 0.1144% |
純資産総額 | 504.6億円 (2021/03/31) |
この商品を買える 主な金融機関 | SBI証券(セレクトプラン) |
これ1本で日本を除く全世界に丸ごと投資できる素晴らしい商品です。全世界の時価総額の90%以上をカバーしていて、アメリカも中国も、これからどんどん伸びてくるインドなどの新興国も全てがこの1本の投資対象に含まれています。
完全放置で世界経済の成長の恩恵を受けれるので、定期預金代わりにほったらかしにするにはうってつけです。
信託報酬も非常に安いです。
「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」は、SBI証券の「セレクトプラン」と呼ばれるiDeCoでしか取扱がありません。
SBI証券「セレクトプラン」についての詳細はこちらの記事をご覧ください。
先進国株式のおすすめ商品:eMAXIS Slim先進国株式
2つ目は「eMAXIS Slim先進国株式」をおすすめします。
ファンド名 | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス |
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設定日 | 2017/02/27 |
商品種別 | インデックス投信 |
資産クラス | 先進国株式 |
対象インデックス | MSCI コクサイ・インデックス |
購入手数料 | 0% |
信託財産留保額 | 0% |
信託報酬 | 0.1023% |
純資産総額 | 1835.3億円 (2021/03/31) |
この商品を買える 主な金融機関 | マネックス証券、SBI証券(セレクトプラン) |
「eMAXIS Slim先進国株式」は、先進国株式の国々へ投資できる投資信託で、全世界の時価総額の80%以上をカバーしています。
信託報酬は「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」よりもさらに低コストです。
コストとカバーできるエリアのバランスが非常にいいです。
「eMAXIS Slimシリーズ」の商品は、他社からもっと安いファンドが出たら、負けじと値下げしてくれる優良ファンドです。
定期預金代わりにまず始めるなら、これら2本のいずれかから選べば無難に優れたリターンが期待できると思います。
まとめ:iDeCoはマネックス証券(中級者向け)かSBI証券(初心者向け)で始めよう
「元本割れ」はこわいものではありますが、世界経済への長期投資をすれば人口増加が続く2100年までは経済成長の恩恵を受けられる可能性が高いです。
確定拠出年金は60歳まで引き出しができない代物です。
短期的に値下がりしたところで実害はないわけですから、長期の国際分散投資で腰を据えて取り掛かることをおすすめします。
これからiDeCo口座を作る方は、業界最安水準の投資信託「eMAXIS Slimシリーズ」が買えるマネックス証券かSBI証券「セレクトプラン」で始めるのがおすすめです。
- マネックス証券 iDeCo:低コストかつ商品拡張性に優れる。長期運用にピッタリ
- SBI証券:初心者向けのiDeCoに最適。iDeCo以外も万能。全てが合格点
2018年5月からiDeCoの取り扱い商品上限数に35個の上限が設定されましたが、マネックス証券は将来低コストな商品が登場してもiDeCoラインナップへの拡充が期待できます。
僕も今の会社を退職したら、iDeCoはマネックス証券に移管するつもりです。
iDeCoで長期に渡り低コストな運用を続けたい方は、マネックス証券で始めましょう。
CHECK! マネックス証券 iDeCo
また、初心者の方はSBI証券がおすすめです。iDeCo以外の「つみたてNISA」「米国株」など全てにおいて平均点を超えていて優秀です。
「証券会社を切り替えて使うのが面倒。できるだけほったらかしがいい」と感じる方はSBI証券で始めましょう。(うちの妻もSBI証券を利用してます)
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その他の証券会社との比較はこちらの記事をご覧ください。