こんにちは、確定拠出年金で100万円運用中のシータ(@tsumitate_theta)です。
確定拠出年金はご存知ですか?
2017年からiDeCoの登場により、誰でも確定拠出年金に加入できるようになりました。
「総務省の人口推計」と「厚生労働省の確定拠出年金の施行状況」の数字を照らし合わせてみると、加入率はわずか12.4%でした。
まだ意外と加入している人が少ないなという印象です。
税制優遇が抜群に良いので、税金奴隷である僕らサラリーマンは使わない手はないです。特に年収が高い人ほど絶対加入すべき制度になっています。
ですが、確定拠出年金(iDeCo)で節税できるのは嘘では?という声も耳にします。
今回は、確定拠出年金(iDeCo)で節税は嘘なのか、サラリーマンの節税効果を徹底シミュレーションしたのでご紹介します。
本当にiDeCoを始めるべきか?、運用商品の選び方、失敗しない受け取り方など、確定拠出年金の網羅的な情報は↓にまとめているのでぜひご覧ください。
目次
確定拠出年金(iDeCo)で節税は嘘?
確定拠出年金には3つの節税メリットがあります。
- 拠出時の掛け金が全額所得控除
- 運用時の利益が全額非課税
- 受取時の一定額が非課税
「確定拠出年金が節税になってないんじゃいの?」と思われているのは主に「拠出時の所得控除」「運用益の非課税」は課税の先送り(繰り延べ)で、最終的に「受け取り時に課税される」から意味がないじゃないか、というものです。
税金の計算は難しいので、このように感じてしまうのも無理はありません。
ですが、受け取り時の課税金額が明確になれば、この疑念も晴れるのではないかと思います。
節税効果シミュレーションをした結論は以下になります。
- 月額23000円拠出して25年間年利5%で運用すると、拠出時138万円、運用時136万円、受取時無税で合計274万円節税できる
確定拠出年金の節税効果はハンパないです。
詳しく見ていきましょう。
そもそも確定拠出年金(iDeCo)とは
確定拠出年金とは、一言でいえば自分年金です。
年金といえば、誰もがやっている国民年金と公務員や会社員が加入している厚生年金があります。
ていうか、厚生年金払ってたんだね、サブレくん
国民年金や厚生年金は義務なので、拒否はできません。
確定拠出年金は、国民年金や厚生年金では足りない金額を自らが拠出することでカバーしていこう、というものになります。
確定拠出年金は、専用の証券口座を開設し、自分で決めた金額を毎月積み立てます。
積み立てたお金を投資信託に使い、資産運用していく、というものです。
確定拠出年金とNISAとつみたてNISAの違いを比較
確定拠出年金の他にも、資産運用に役立つ税制優遇にNISAとつみたてNISAがあります。
この2つとの違いを表にまとめました。
確定拠出年金は、若い人は20歳から、最長で60歳まで非課税期間があるため、超長期投資向けの税制優遇です。
表からも分かる通り、確定拠出年金の最大のデメリットは60歳になるまでお金を引き出せないことです。
と思う方もいるかもしれません。
僕も
などと思っていた時期がありました。
確定拠出年金には、60歳まで引き出せないとしてもそれを補って余りうるメリットがあります。
それが、3つの税制優遇です。
確定拠出年金(iDeCo)の仕組み
- 拠出時の掛け金が全額所得控除
- 運用時の利益が全額非課税
- 受取時の一定額が非課税
節税メリット1:拠出時の掛け金が全額所得控除
まず1つ目は、拠出した金額を所得から控除できるということです。
控除というのは、課税所得から除外することです。
積み立てるお金の分、課税所得が少なくなり、所得税や住民税を減らすことができます。
サラリーマンは税金奴隷だと書きましたが、確定拠出年金はサラリーマンでも恩恵を受けられます。
サラリーマンにこそおすすめしたい制度です。
拠出できる金額は、あなたが自営業かどうか、会社員なら会社で企業型確定拠出年金を取り扱っているかで変わってきます。
うちの会社では、企業型の確定拠出年金を導入しているので、毎月55000円を拠出しています。
年間だと66万円です。
年収500万の場合、所得税率は10%、住民税は10%なので66万円が控除されると、13.2万円の税金を払わずに済むようになります。
13.2万あれば新しいMacが買えちゃいます。地味ですが、結構大きいですよね。
年収1000万だと、所得税率は20%、住民税は10%なので19.8万円の税金を払わずに済みます。
高所得な人ほど、確定拠出年金をやる効果は高いです。
ただし、冒頭でもお伝えしたとおり、ここでの所得控除は実質的には課税の先送りです。
節税メリット2:運用時の利益が全額非課税
2つ目は、運用中の利益も課税対象にならないことです。
普通に株や投資信託をやると、株の配当金や投資信託の分配金、売却したときの利益に対しては、20%の税金がかかります。
ですが、確定拠出年金で分配金や売却益が出た場合は、税金が0になります。
これも信じられないぐらい大きい節税効果です。
もし、1000万円の利益が出た場合、200万円の税金を払わねばなりません。
確定拠出年金なら0円です。
確定拠出年金は、60歳まで引き出しができないため、嫌でも長期投資になります。
長期投資になるということは、複利効果を発揮しやすくなるということです。
複利効果を使うと、雪だるま式に利益が増えていきます。
そのときの税金が0になるので、その効果は絶大です。
そして、この運用益の非課税も課税の先送りです。
節税メリット3:受取時の一定額が非課税
課税の先送りを重ね、貯めに貯めた資産は、60歳になるとようやく受け取りができます。
受け取り方は3つあります。
- 一括で受け取る
- 年金として定期的に受け取る
- 一部を一括で・残りを年金で受け取る
最も節税メリットが大きいのは、一括受け取りです。
一括で受け取る場合は、税制上は退職金として処理されます。
退職金は以下の控除が受けられます。
- 拠出期間が20年間まで:
年数 x 40万円 - 拠出期間が20年を超えたら:
800万円 + 年数 x70万円
例えば、20年であれば800万円が非課税に、30年であれば1500万円が非課税になります。
さらに退職金所得控除後の金額の半分が課税対象となります。
- (退職金 – 退職金所得控除) ÷ 2 = 退職金課税所得
- 退職金課税所得 x 所得税率 – 控除額 = 所得税額
参考:退職金と税|国税庁
大きい金額の退職金所得控除と、さらに半額にしか税金が発生しない、という部分が大きいです。
国税庁の例では、30年勤務した人が2500万円の退職金を受け取る時、発生する税金は58万円です。
2500万円受け取りに対して2.3%です。
通常の所得税率20%がもしかかっていたとしたら、500万円税金を払うことになります。
この差は大きいですよね。退職金扱いは超絶お得なので有効に活用した方が良いです。
確定拠出年金は職業や年金区分で上限額が違う
確定拠出年金には、個人型と企業型の2種類あります。
企業型確定拠出年金の上限額は、以下の2つです。
- 他の企業年金がある場合:月額27500円
- 他の企業年金がない場合:月額55000円
企業型と個人型との併用ができることもありますが、企業型に加入できるのであればわざわざ追加の手数料を払って個人型に加入する必要はありません。
個人型確定拠出年金(iDeCo)の上限額
個人型確定拠出年金(iDeCo)の上限額はパターンが複数あります。
自営業者やフリーランスは第1号被保険者に該当します。上限額は月額68000円です。
僕らサラリーマンは第2号被保険者です。人により月額12000円〜23000円の幅があります。
専業主婦は、月額23000円が上限になります。
確定拠出年金(iDeCo)の節税シミュレータ
「面倒な計算はいいから、いくらぐらいの節税効果があるのかサクッと知りたい」という方向けに、高精度のiDeCo節税シミュレータを作ったので、具体的な節税額を知りたい方はぜひ利用してみてください。
確定拠出年金の節税効果を職業別にシミュレーション
iDeCoの区分別でどれだけ節税ができるのか数字を確認しておきましょう。
「DUDAの平均年収ランキング2017(年齢別の平均年収)」によると、30代男性の平均年収は487万円とのことなので、年収は500万円、所得控除は基礎控除38万円のみの場合で節税額を計算してみます。
拠出時の節税効果は?
区分ごとの節税額は以下になります。
35歳から確定拠出年金の拠出が終了する60歳まで運用した場合の金額です。
サラリーマンは年間で28800円〜55200円の節税。25年間にすると72万円〜138万円の節税額になりました。
馬鹿にできない金額ですね。
自営業者は掛け金が68000円と多いので、年間節税額は244800円、25年間の節税額は612万円にもなりました。相当大きいですね。
運用時の節税効果は?
運用は割と現実的な年利5%で運用できたケースで考えます。
サラリーマンだと25年後の資産は、714万〜1369万になりました。だいたい掛け金の2倍ぐらいに増えている計算です。
節税額は70万〜136万です。
自営業者の節税額は、400万円になります。拠出金は大きい方が節税額もでかくなりますね。
企業型の確定拠出年金の人は、55000円まで拠出できる人が多いと思うので、生活に余力があればMAXまで拠出できるとお得度が最大になります。
受取時の節税効果は?
いよいよ課税先送りにしてきたお金を退職金として受け取ります。
月額23000円拠出してきた会社員で見てみましょう。
年利5%で25年運用をして1369万円まで資産を増やすことができました。
- 退職所得控除(25年拠出):800万+70万x5=1150万
- 退職金課税所得:(1369万 – 1150万)÷2 = 109.5万
- 所得税:109.5万x所得税率20% – 控除額427500円 = 0円!
ということで、一括受け取り時の税金は0円となりました。他の会社員も同様です。
自営業だけは資産が4000万まで増えているため、247万円の税金がかかる計算になりました。それでもやはりお得ですね。
ということで結論は以下です。
- 月額23000円拠出して25年間年利5%で運用すると拠出時138万円、運用時136万円、合計274万円節税できる
退職金の効果が絶大なことがわかりました。
確定拠出年金では新興国株式がおすすめ
税制メリットが受けれる代わりに確定拠出年金は60歳までは引き出すことができません。
これは「税金免除してあげるから老後の資金は自分で貯めてね」という国からのメッセージです。
そのため、確定拠出年金では長期投資にふさわしい商品で運用するのが良いです。
具体的には、先進国株式のインデックス投信か、新興国株式のインデックス投信がおすすめです。
先進国株式と新興国株式でおすすめのファンドはこちらをご覧ください。
先進国か新興国を25年間長期投資すれば、年利5%は歴史をみても達成できると思われます。
新興国株式の方は、中国・韓国・台湾・インド・ブラジルなどこれからがアツイ国の株で構成されています。
既に好調な先進国株式かこれから来るであろう新興国株式どちらを購入するかですが、僕は20年〜30年後は新興国の勢いが強くなるだろうと期待して、新興国の方を買っています。
確定拠出年金の内訳は100%新興国です。
個人の投資ポートフォリオとしては、先進国株式の方はNISA口座でカバーしています。
長期的なものはこの確定拠出年金で育てていきましょう。
確定拠出年金で預貯金しているだけの人が多すぎる
「企業年金連合会の確定拠出年金統計資料」から確定拠出年金で、みんながどんな運用商品を購入しているのかを調べて見ました。
以下は企業型の人たちの商品選択割合です。
以下は個人型の商品選択割合。
企業型の人の方が株式に投資している割合が高いのはさすがだなと思いつつ、それでも預貯金の人が35%もいるんですね。
非常にもったいないです。
保険も損だし、長期投資で債券を購入するメリットはありません。
最も買うべき外国株式が6,7%しかないというのが、日本はだいじょうぶなのかと不安にならざるを得ません。
運用益に税金がかからないパラダイスなのに、何もしないのはありえません。
確定拠出年金は60歳まで引き出しができないので、強制的に長期投資をすることになります。
長期の投資であれば、短期的な暴落などの価格変動リスクは限りなく抑えられ、純粋な経済成長の恩恵を受けやすくなります。
正しい投資の知識を学べば誰でも手にできる利益です。本を2,3冊も読めばだいたいわかるので、これをやらない手はありません。
チャンスが目の前にあるのに気づけない。チャンスを逃さぬようお金の知識を学んでいきましょう。
まとめ:iDeCoはマネックス証券(中級者向け)かSBI証券(初心者向け)で始めよう
確定拠出年金は、サラリーマンでもできる数少ない節税手段です。
拠出、運用、受け取り時すべてで税制優遇が受けられる最強の節税投資手法です。
老後資金の準備は、この確定拠出年金を活用しましょう。
これからiDeCo口座を作る方は、業界最安水準の投資信託「eMAXIS Slimシリーズ」が買えるマネックス証券かSBI証券「セレクトプラン」で始めるのがおすすめです。
- マネックス証券 iDeCo:低コストかつ商品拡張性に優れる。長期運用にピッタリ
- SBI証券:初心者向けのiDeCoに最適。iDeCo以外も万能。全てが合格点
2018年5月からiDeCoの取り扱い商品上限数に35個の上限が設定されましたが、マネックス証券は将来低コストな商品が登場してもiDeCoラインナップへの拡充が期待できます。
僕も今の会社を退職したら、iDeCoはマネックス証券に移管するつもりです。
iDeCoで長期に渡り低コストな運用を続けたい方は、マネックス証券で始めましょう。
CHECK! マネックス証券 iDeCo
また、初心者の方はSBI証券がおすすめです。iDeCo以外の「つみたてNISA」「米国株」など全てにおいて平均点を超えていて優秀です。
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その他の証券会社との比較はこちらの記事をご覧ください。