こんにちは、確定拠出年金で100万円を運用しているシータ(@tsumitate_theta)です。
「確定拠出年金を始めようかと思うけどどの銘柄を買うのがいいのか分からない」「分からないからとりあえず定期預金にしているけど本当にこれでいいんだろうか」
こんな風に思っている方も多いと思います。僕も最初はそうでした。
でも、実は正しい商品を選び方がわかってしまえば、ほとんど迷うことはなくなります。
この記事では、楽天証券のiDeCo商品の正しい選び方とおすすめをご紹介します。
- 楽天証券のiDeCoで自分が何を選べば良いか分かる
- iDeCo商品の正しい選び方が分かる
ここで紹介している商品選び、資産配分のやり方で現在年利6%で運用できているので、きっとあなたのお役に立てるのではと思います。
それでは早速みていきましょう!
なお、本当にiDeCoを始めるべきか?、運用商品の選び方、失敗しない受け取り方など、確定拠出年金の網羅的な情報は↓にまとめているのでぜひご覧ください。
目次
楽天証券のiDeCo商品ラインナップは31本
楽天証券のiDeCoにはて31本の投資信託商品があります。(定期預金は除く)
2020年6月時点でのラインナップはこちらです。
数が多いので混乱してしまいがちですが、実は正しい選び方をマスターしてしまえば迷うところはほとんどありません。
iDeCoで商品を選ぶ5つのポイント
iDeCo商品の正しい選び方は次のとおりです。
- 何度売買しても課税されないので気楽に選ぶ
- インデックスファンドから選ぶ(信託報酬0.5%以下から選ぶ)
- アセットクラスは全世界株式、先進国、新興国から選ぶ
- 各アセットクラスの中で信託報酬が安いものを選ぶ
- 純資産残高が一定以上に大きく、右肩上がりに増えているものを選ぶ
上記の5つのポイントを守って商品を選べば、iDeCoで大失敗する可能性を劇的に抑えられます。
何度売買しても課税されないので気楽に選ぶ
iDeCoは60歳まで引き出せない代わりに、iDeCo口座の中で何度利益確定しても税金がかからないという非常に嬉しい特典があります。
なので、この特典の恩恵にあやかって何度も売買してOKです。
確定拠出年金は加入年数が長いほど受取金(60歳になってから受け取れるお金)にかかる税金が少なくなるので、なるべく早く加入するのがおすすめです。
金銭的に余裕があれば、まずは始めてから考えましょう。
インデックスファンドから選ぶ(信託報酬0.5%以下から選ぶ)
次にiDeCoに向いているアセットクラスですが「アセットクラスって何?」という方は先にこちらの記事からご覧ください。
CHECK! アセットクラスとは?投資の成否の8割を握る資産配分を理解する
iDeCoは60歳まで積み立てたお金を引き出すことができません。そのため、必然的に長期投資になります。
長期投資であれば株価が減少するリスクは限りなく抑えられるため、リスク度外視のリターン全振りがおすすめです。
高いリターンが期待できるアセットクラスはこちらです。
- 先進国株式(リターンやや大)
- 新興国株式(リターン大)
- 全世界株式(リターン並)
間違っても「みずほDC定期預金」のような元本保証の商品だけは選ばないでください。
定期預金は最も安全に見えるかもしれませんが、60歳になるときに「日本円の価値が下がった」「インフレが進んだ」なんてことがあれば、実質価値が目減りすることになり、最も損をする選択になることもあり得ます。
むしろ、今後の日本の人口減少・少子高齢化を考えると日本円の価値が下がる可能性の方が高いとさえ思います。
CHECK! 高負担・低福祉・増税が確定している日本の将来に投資するのはつらい
日本が衰退したとしても、世界経済は2100年までは人口増化の恩恵を受けて成長が見込めます。
参考:United Nations Population Division | Department of Economic and Social Affairs
先進国株式・新興国株式に投資をして、日本にいながら世界経済の恩恵を受けるのが賢い選択になると思います。
各アセットクラスの中で信託報酬が安いものを選ぶ
長期投資において、信託報酬が利益に与えるインパクトは大きいです。
各アセットクラスの中で、できるだけ信託報酬が安いものを選ぶのが長期の資産運用の鉄則です。
信託報酬についてさらに詳しく知りたい方は、こちらを合わせてご覧ください。
CHECK! 信託報酬じゃわからない。投資信託の真の費用は実質コストで判断しよう
純資産残高が一定以上に大きく、右肩上がりに増えているものを選ぶ
投資信託の運用会社は純資産残高に対する割合で報酬を得ています。
純資産残高が少ないと、運営するために必要な利益が確保できず、投資信託を解散せねばならないこともあります。
投資信託の解散を「償還」と言いますが、償還は僕らの資産の運用効率を下げます。
償還されると強制的に利益が確定し、予期せぬ税金が発生するからです。税が発生すると福利効果が薄れてしまい、資産の増加スピードが遅くなってしまいます。
償還リスクを避けるために、純資産残高が十分にあり、右肩上がりになっている投資信託を選ぶといいです。
楽天証券のiDeCo(イデコ)でおすすめの商品
iDeCoに向いているアセットクラスは以下の2つです。
- 先進国株式(リターンやや大)
- 新興国株式(リターン大)
- 全世界株式(リターン並)
次からアセットクラスごとのおすすめ商品を見ていきます。
全世界株式のおすすめ商品:楽天・全世界株式インデックス・ファンド
全世界株式からは「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」をおすすめします。
ファンド名 | 楽天・全世界株式インデックス・ファンド |
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設定日 | 2017/09/29 |
商品種別 | インデックス投信 |
資産クラス | 全世界株式 |
対象インデックス | FTSE Global All Cap Index |
購入手数料 | 0% |
信託財産留保額 | 0% |
信託報酬 | 0.212% |
純資産総額 | 830.36億円 (2021/03/31) |
この商品を買える 主な金融機関 | 楽天証券 |
「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」は、ファンド内でバンガード社で大人気のETF「VT」に投資をするファンドで、これ1本で世界を丸ごと買える優れものです。
世界経済が成長すれば、その恩恵をそのまま受けることができます。
世界経済成長の平均点を狙う「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」は、長期にわたり無難なリターンを得られる可能性が高く、万人におすすめできます。
先進国株式のおすすめ商品:たわらノーロード先進国株式
先進国株式クラスでは、「たわらノーロード先進国株式」がおすすめです。
ファンド名 | たわらノーロード 先進国株式 |
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設定日 | 2015/12/18 |
商品種別 | インデックス投信 |
資産クラス | 先進国株式 |
対象インデックス | MSCI コクサイ・インデックス |
購入手数料 | 0% |
信託財産留保額 | 0% |
信託報酬 | 0.10989% |
純資産総額 | 1013.17億円 (2021/03/31) |
この商品を買える 主な金融機関 | 楽天証券、イオン銀行、みずほ銀行 |
「たわらノーロード先進国株式」は、先進国株式の中で信託報酬が最安です。
同じ先進国株式の中では「楽天・全米株式インデックス・ファンド」も人気ですが、こちらは対象国がアメリカのみとなっています。
アメリカの1点張りは集中させるなりのリスクがあるため、先進国に時価総額比率どおりに分散できる「たわらノーロード」を僕は選びました。
「もしリスクがあったとしてもアメリカ1点張りが良いんだ!」という方であれば「楽天・全米株式インデックス・ファンド」の方が良いと思います。
新興国株式のおすすめ商品:インデックスファンド海外新興国株式
新興国株式クラスからは「インデックスファンド海外新興国株式」です。
ファンド名 | インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式 |
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設定日 | 2008/4/1 |
商品種別 | インデックス投信 |
資産クラス | 新興国株式 |
対象インデックス | MSCI Emerging Markets Index |
購入手数料 | 3.3% |
信託財産留保額 | 0% |
信託報酬 | 0.374% |
純資産総額 | 306.02億円 (2021/03/31) |
この商品を買える 主な金融機関 | 楽天証券 |
信託報酬が前時代的な水準でちょっと最近の相場からみると高いのですが、そこは選択肢がこれしかないということでやむなしです。
もし「信託報酬が高すぎて嫌だ!」という人は、新興国株式の手数料が下がるまで「たわらノーロード」を持ちつつ、納得のいく新興国が出てきたら乗り換える、という手も良いかもしれません。
マネックス証券のiDeCoなら新興国最安の「eMAXIS Slim新興国株式」が買えるので本当に安い新興国ファンドを買いたい場合はそちらがおすすめです。
CHECK! マネックス証券 iDeCo
【番外編】米国株式のおすすめ商品:楽天・全米株式インデックス・ファンド
番外編として米国株式のおすすめ商品をご紹介。米国株式では「楽天・全米株式インデックス・ファンド」が圧倒的におすすめです。
ファンド名 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド |
---|---|
設定日 | 2017/9/29 |
商品種別 | インデックス投信 |
資産クラス | 先進国株式 |
対象インデックス | CRSP U.S. Total Market Index |
購入手数料 | 0% |
信託財産留保額 | 0% |
信託報酬 | 0.162% |
純資産総額 | 2327.4億円 (2021/03/31) |
この商品を買える 主な金融機関 | 楽天証券 |
「楽天・全米株式インデックス・ファンド」は米国へに集中投資なのでリスクが高いとしてこれまでおすすめしてきませんでしたが、個人的に米国企業の理解を深めるにつれてその認識を改めつつあります。
アメリカはAmazon、マイクロソフト、Apple、Google、Facebook、マクドナルド、コカコーラ、ビザなど主要な産業のトッププレイヤーが集中しており、他の追随を許さない競争優位性により、圧倒的に高い利益率を誇っています。
1点集中投資には変わりないので「米国に隕石が落ちる」など局地的な問題が起きたら資産も大打撃を受ける可能性はあります。
しかし、そういったリスクも含めて「人からのススメでなく、自分で米国企業に対する理解を深め、今後も成長することを確信した」という方であれば「楽天・全米株式インデックス・ファンド」を選ぶと良いと思います。
楽天証券のiDeCoでおすすめの資産配分・ポートフォリオ
ここからはあなたの資産運用レベルに応じて3種類の運用方法をご紹介します。
- 初心者:自分で資産配分を決めるのは難しい人
- 中級者:iDeCo内で資産配分を決められる人
- 上級者:iDeCo外も含めて資産配分できる人
あなたにマッチしたマッチした部分を読んで、運用方法の参考にして見てください。
それでは1つずつ見ていきましょう。
初心者:自分で資産配分を決めるのは難しい人
「自分で資産配分を決めるには不安だ」というあなたには、全世界の株式時価総額配分である「市場ポートフォリオ」に沿って資産配分をすることをおすすめします。
最近はざっくり「日本:先進国:新興国=10:80:10」程度の配分になっています。
(最新の全世界時価総額配分はmyINDEXで確認できます。)
参考:世界各国のPER・PBR・時価総額 (毎月更新) – myINDEX
「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」は、これ1本で上記の全世界株式の配分を保有することに等しく、世界経済が成長すればあなたの資産も連動して増えることになります。
- 楽天・全世界株式インデックス・ファンド:100%
「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」はファンド内で自動的に世界全体の時価総額比率に連動するよう設計されているため、あなたが自分でリバランスをする必要はありません。
もし、あなたが今まで定期預金に積み立てていたとしたら、それをまずは「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」に積み立てるように変更しましょう。
預金するのと同じ労力で、10年以上の長期投資をすれば超高確率で預金以上のリターンを得られます。
今日からあなたも資産運用の勝ち組の仲間入りです。
中級者:iDeCo内で資産配分を決められる人
iDeCo内での資産配分を自信を持って自分で決められる人には「インデックスファンド海外新興国株式」と「たわらノーロード先進国株式」を組み合わせて配分してみましょう。
ただし、この2本を組み合わせて「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」と同じ市場ポートフォリオの資産配分を目指すのは避けてください。
「インデックスファンド海外新興国株式」は信託報酬が0.594%と高いため、自作でブレンドしても信託報酬は0.2651%となり、素直に「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」を買うよりも割高になってしまいます。
市場ポートフォリオを狙いたい場合は「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」を買うようにしましょう。
- 楽天・全世界株式インデックス・ファンド:100%
明確な意図で「新興国株式を多く持ちたい」という場合は、2つをブレンドする方法で問題ありません。
上級者:iDeCo外も含めて資産配分できる人
自分でiDeCo外のNISAや特定口座も含めて資産配分できる人は「たわらノーロード先進国株式」をiDeCoのメインに使うと良いと思います。
新興国株式の代表商品である「インデックスファンド海外新興国株式」は、信託報酬が高いため楽天証券のiDeCoで組み込むのはあまりおすすめしません。
つみたてNISAなど、他の口座で「eMAXIS Slim新興国株式」などを検討してみると良いかもです。
選ぶときは、まず確定拠出年金の枠を先進国株式か新興国株式で埋めて、溢れた部分をNISA枠で使うようにします。
- 確定拠出年金:まずここで先進国株式or新興国株式を買う
- NISA:次に新興国株式or先進国株式を買う
- 特定口座:残りをここで買う
自分で決めた資産配分どおりに、リターンの高いアセットクラスを上記の順に埋めていく
iDeCoは利益が非課税なのでいつでも好きなタイミングでリバランスができます。一度気軽にスタートしてみて、自分にあった配分を模索していくのも楽しいと思いますよ。
楽天証券のiDeCoはコスト面ではSBI証券、マネックス証券に劣る
SBI証券、楽天証券、マネックス証券の各資産クラスごとの最安商品を比較したのが次の表です。
金融機関 | 全世界株式 | 先進国株式 | 新興国株式 | 米国株式 |
---|---|---|---|---|
マネックス証券 | なし | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス (0.107892%) | eMAXIS Slim 新興国株式インデックス (0.20412%) | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) (0.162%) |
SBI証券(セレクトプラン) | eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) (0.15336%) | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス (0.107892%) | eMAXIS Slim 新興国株式インデックス (0.20412%) | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) (0.162%) |
楽天証券 | 楽天・全世界株式インデックス・ファンド (0.2196%) | 楽天・全米株式インデックス・ファンド (0.1596%) | インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式 (0.594%) | 楽天・全米株式インデックス・ファンド (0.1596%) |
米国株式は「楽天・全米株式インデックス・ファンド」があるため信託報酬は同水準の安さですが、その他の「先進国株式」「新興国株式」では1.5倍〜3倍割高になっています。
どうしても「楽天・全米株式インデックス・ファンド買いたいんだ!」という強いこだわりがない限りは、SBI証券かマネックス証券でiDeCo口座を作る方が幸せになれると思います。
他社とのiDeCo比較の詳細は「【2021年4月版】iDeCo(イデコ)の比較!手数料・商品からおすすめ金融機関を紹介!」をご覧ください。
まとめ:iDeCoはSBI証券かマネックス証券で。楽天証券はつみたてNISAで活用しよう
楽天証券のiDeCo商品の選び方・おすすめをご紹介しました。
選び方を再度まとめます。
- 何度売買しても課税されないので気楽に選ぶ
- インデックスファンドから選ぶ(信託報酬0.5%以下から選ぶ)
- アセットクラスは全世界株式、先進国、新興国から選ぶ
- 各アセットクラスの中で信託報酬が安いものを選ぶ
- 純資産残高が一定以上に大きく、右肩上がりに増えているものを選ぶ
iDeCoは非課税で何度でも売買ができて、加入年数に応じて受け取り金の控除が大きくなるため、生活に余裕がある人はいますぐ加入することをおすすめします。
ここまで楽天証券のiDeCo口座をお持ちの方向けにご紹介しましたが、楽天証券のiDeCoはマネックス証券やSBI証券と比べると商品ラインナップの面で劣ります。
これからiDeCo口座を作る方は、次のいずれかで作ることをおすすめします。
- マネックス証券 iDeCo:低コストかつ商品拡張性に優れる。長期運用にピッタリ
- SBI証券:初心者向けのiDeCoに最適。iDeCo以外も万能。全てが合格点
楽天証券がもっとも輝くのはつみたてNISAです。「楽天カード払いで積立をすると最大1%ポイント還元がもらえる」ので、SBI証券やマネックス証券より圧倒的にお得です。
ノーリスクで1%コストを安くできるので負けにくくなります。僕もSBI証券から楽天証券のつみたてNISAへ移管をしました。
つみたてNISA口座をまだお持ちでない方は忘れないうちに「楽天証券」に申し込みしておきましょう!